第二百五十六話 ダンジョン挑戦 パート2 その35
「考え……?」
「まぁそれより少し時間稼ぎお願いします!」
ラートの言葉に俺は我に返ると俺とラートが話している間にも杖を持った石像はいろんな魔法を繰り出していた。そして、それをシャーリーの水虎が迎撃している。向こうの手数が多く、シャーリーは反撃に転じれず防戦一方となっている。
「シャーリー!!」
俺はすかさず岩砲弾を繰り出し戦線に復帰する。
「シャーリーごめん! 大丈夫!?」
「大丈夫。心配してくれてありがとう。ラート君との作戦会議は終わった?」
シャーリーはそう言って魔法をコントロールするのと向こうの魔法に対抗するのに自然と険しくなっていた顔を緩ませながら微笑む。
「シャーリー……」
大変な思いをしてもそれを口にする事なくシャーリーが微笑む姿に俺はなんとも言えない感情になって一瞬言葉をう。
「あぁ、ラートに何か策があるらしい。だからそれまで時間稼ぎだ」
「そっか。分かった」
俺もラートの考えが分からないからこうとしか言えないけど、それを聞いてシャーリーは何も深く聞かず受け入れてくれた。
「じゃあ私とハル君で時間稼ぎだね」
「そうだな」
シャーリーも戦う決意をしている以上、後ろで待機って言ったら怒るだろう。それに、実際のところシャーリーの魔法には助けられる事も多いし実力もある。
「じゃあ行くか!」
「うん!」
俺はシャーリーに声をかけ駆け出した。




