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第二百五十話 ダンジョン挑戦 パート2 その29

 俺たちはみんな揃って何事もなく無事に壁の向こう側へと通り抜ける事ができた。

 そして、壁を通り抜けた先にはビアンさんが魔方陣の側にしゃがんで何やら考えている。


 「ビアンさん」

 「ん? あぁハル君。みんなも。こっち来れたんだ。それよりどう? これすごでしょ!? 私が第一発見者だからね!」


 やっぱりビアンさんはさっき俺が来たのを気づいていなかったのだろうな。

 魔方陣を見つけた興奮をみんなに伝えるのに必死だし。


 「そうですね、ビアンさんのおかげです。それでこの魔方陣の事なんか分かりそうですか?」


 俺はビアンさんをおだてながら話を先に進めるべく聞いてみる。

 ビアンさんは研究者って言ってたしもしかしたら何か分かったかもしれない。


 「んー、正直詳しい事は分からないのよ。天才研究者とは言え、未知の事はすぐ分からないわ」


 天才魔法使いの次は天才研究者ですか。


 「でも、見た感じこの魔法陣はこの光の通り稼動はしていると思われるし何かのきっかけで作動するのかも。ちなみにさっき乗ってみたけど反応はなかったわ」


 乗ったんですか!!

 なんて危険な……。


 「ビアンさんなんて危険な事してるんですか!?」

 「研究者は命より探究心に心を動かされるものよ」


 ……ダメだこりゃ。

 みんなも呆れた顔しているし。

 もう何も言うまい。


 「この魔方陣、稼動はしてるから魔力を流し込めば動くと思うの。でも、魔力を流し込むと言っても魔法を放つんじゃなくて魔力を流し込むって感じかしら。普通の人なら出来ないけど……あなたたちなら……ね?」


 ビアンさんはそう言って俺、ロイ、ウィルを一瞥する。

 そっか、さっきのスケルトンとの戦いで魔力操作の事が分かったのか。

 さすが研究者と言ったところか。

 シャーリーのおかげで根掘り葉掘りきかれないけど厄介だな。

 まぁ仕方ないか。


 「そうですね。じゃあ一度俺がやってみるんで、みんなは外でーー」

 「ダメよ」

 「えっ?」

 「いい? 魔方陣は稼動しているとは言え、一度起動させたらその後も残っているとは限らない。それに戻ってこれるとも限らない。だからみんなで行った方がいいわ」


 確かにビアンさんの言う事も一理ある。

 でも、なおさら……


 「でも、戻って来れない可能性があるならなおさらみんなで行くのは危険じゃないですか?」

 「確かにリスクはあるわ。でも、ここは隠蔽された部屋なのよ? もしかしたら魔方陣を起動させたら部屋が崩れるって可能性もあるし」

 「なら、外で待機してたらーー」

 「いいの! みんなで行くの!」


 ……おそらくビアンさんは行ってみたいんだな。

 まぁ今エターナル・ログの知識を探ってみたらこの魔方陣の模様は転移魔方陣っぽいし。

 まぁ行った先がどうか分からないけど……まぁそこは俺がなんとかするか。

 それにまた一人で行ったらシャーリーに心配かけるし。


 「……わかりました」

 「やったーー!! ……じゃない、分かったわ」


 いや、ビアンさんもう遅いです。


 「じゃあみんなもーー」


 『乗って』と言うより先にみんな魔方陣に乗っていた。

 この様子だと俺が先にと言ってもみんな来てたかもな。それにしてもみんな肝が座ってるな。


 「それじゃあ行くぞ!」


 俺はみんなを見渡し頷くのも確認してから、手を魔方陣にあて魔力を流し込んだ。


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