第二百四十四話 ダンジョン挑戦 パート2 その23
「なぁ、ここって……なんか変じゃない?」
俺は違和感を感じた場所を指差す。
地図を見ると通路自体は左右どちらの道から行っても最終的には階段へと続くようになっているけど、どちらの道も地図の中央に行く道が行き止まりになっている。
そして、いくつかの道の行き止まりが集まるところがあり、そこにぽっかりと空いた空間がある。
「えっ? ただの行き止まりじゃないの?」
「そうなんだけど、なんかこの空間だけ不自然って言うか……」
俺はビアンの言葉にすぐ言葉を返す。
「まぁ確かにハルが言う通り不自然と言えば不自然な気もするけど、別に普通と言えば普通なような……」
「そうね。なんとも言えないわ……」
「なんかあるんですかね?」
「分からんが、気になるのなら少し調べてみてもいいのではないか?」
「お兄様の言う通りです!」
「でも、外でゴルゾーラ教が動かないとも限らないし急いでいるからな」
みんな俺の言ったところをどうしようかと話合っている。
ウィルの言う通り調べたいけどロイの言う通りゴルゾーラ教の件もあるから時間も無駄に出来ない。
「ハル先輩……」
俺がどうしようかと考えているとラートが声をかけてきた。
「ラートどうした?」
「あの、ノームが……」
「ハル様」
「うわ!?」
「おい、ノーム!?」
いきなりラートの前にノームが姿を現し俺は驚きの声をあげてしまった。
その結果、俺の声によってみんなの視線が集まる。
「えっ!? ノームって地の精霊様!? ぇっ、えっ!? どういう事!? 本物!? 偽物!?」
そして、ビアンさんは一人絶賛混乱中だった。
「ノーム! いきなり出て来ないでよ!」
「いや、ラートちょっとな。まぁ話させておくれ」
精霊に怒るラートっていったい……それに年齢の差(?)もあるのに。
「いったいどうしたんだ? ノーム」
「えっ!? なんで精霊様を呼び捨て!?」
ビアンさんはちょっとほっておこう。
話がややこしくなる。
「実はオリハルコンの気配がありましてな」
ノームはラートやビアンさんをよそにマイペースに話し出した。




