第二百四十一話 ダンジョン挑戦 パート2 その20
「ラートそっち引っ張ってくれ」
「了解っす!」
野営をする事にした俺たちは男がテントと見張りを、女性達は食事の準備を分担しながら行っている。
ちなみに見張りはロイが行っていて、俺とラート、ウィルでテントを張っている。
まぁ俺は荷物持ちも兼ねているから、テントと食事の準備が出来るまでは見張りに回る事は出来ない。
そして、ウィルはさっき見張りだったから嫌だって言うしラートは実践が初めてだから一人で見張りはまだ難しい。
ロイは見張りは暇だと言って嫌だと言ってたけど、状況を見てしぶしぶ受け入れて見張りをしている。
「ハル、女性陣がお待ちだ。代わろう」
「了解! 頼んだウィル!」
ウィルにそう言われて女性陣の元へ行く。
俺は準備に荷物出しに大急ぎだ。
「お待たせ! これが肉でこれが野菜。他には?」
「あっ、ハル君、パンもくれる?」
「了解!」
俺は異空間から食材を出してシャーリーに渡す。
どうやら今日の料理は肉を焼いた物にパンと野菜のスープっぽいな。
火を起こしたまきの上に、鍋に水を沸かしてあるしシャーリーとアリィお手製の肉につけるタレも用意されている。
「それにしてもハル君はなんでもありなんだね」
俺が今日のご飯を予想しているとビアンさんが声をかけてきた。
「なんでもって訳じゃないですけど……」
「いや、ハル君なら魔法でなんでもできるんじゃない?」
「そんな事なんいですよ」
「いやいや! でもいったいどうなってるんだろうね? 調べてみたい気がーーしません」
気づくとシャーリーがこちらを見て微笑んでいた。
……ビアンさん、いつの間にかシャーリーに頭が上がらなくなっている。
「それはそうとビアンさんは料理しないんですか?」
「はは! 私は食べるせーー」
「ビアンさん? 料理手伝ってもらっていいですか?」
「はいよ! 任せて!」
シャーリーが言うとビアンさんは飛んで手伝いに行った。
よっぽどシャーリーのオーラが怖かったんだな。
まぁ俺もびびったけど。
「ハル君どうかした?」
「い、いや! なんでもない!」
そうだ。
俺は心が読まれやすいんだった。
無心無心……。
俺は瞑想しながら、ウィルとラートの元へ足を進めた。




