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第二百五話 ダンノームへ着きました

 「ここがダンノームか」


 ダンノームの街は今までの街と全く違った感じだった。

 というのも、緑が少なく代わりに茶色が多い。

 その茶色というのは建物が茶色のレンガ造りであるというのと地面の土とで、緑よりも茶色が多く今までの街とは違った印象を受ける。

 さらに、気温も暑い。


 「こんなところで鍛冶とかすると物凄くあついだろな」

 「だろうな。さすが職人と言ったところか」


 ロイとウィルのやりとりに俺も心の中で同意する。

 こんな暑さの中で火を扱い集中して作業するのはまさしく職人といったものだろう。


 「ハル君、今からどうするの?」


 シャーリーが俺に聞いてくる。

 陽は下り始めたばかりで夜にはまだ時間がある。


 「そうだな。とりあえずーー」

 「酒場だな!」

 「違うわ!」


 俺は咄嗟にロイの頭をしばいた。

 俺がロイに完璧につっこんだの初めてじゃないだろうか?


 「くっ……ハルにまともにしばかれるとは……覚えとけよ?」

 「やだよ!」


 なんだろう?

 今までよりもロイとの親密になった気がする。

 これも旅をしてきていろいろあったからだろうか。


 「とりあえずはアドルノ工房だな」

 「さすがウィル先生!」

 「ふん」


 ウィルは返事とは裏腹に微笑んでいた。

 やっぱり一緒に過ごしてきたのは無駄じゃなかったらようだ。

 最初の時に比べてみんな遠慮というかよそよそしさもなくなった気がするし。


 「さすがお兄様! それに比べてハルは……なんか媚を売ってる役人みたいですわ」

 「おい! ソニン!」

 「まぁまぁハル君、落ち着いて……ね?」

 「……まぁシャーリーに言われたら」

 「ハル君はシャーリーに頭が上がらないわね?」

 「まぁハルだからな」

 「おい! なんで俺がターゲットに!?」


 それにロイには言われたくない!

 あいつこそアリィに頭上がらないくせに!

 ……まぁみんなが笑って笑顔になるならこれくらいはいいけど。

 ルルも笑ってるし。

 ルルはまだ慣れてないから話には入ってないけど、慣れてきた時に向こうにつくのか俺を助けてくれるのか……。


 「ったく、行くぞ!」


 俺はルルが巫女という事に望みをかけ、俺を助けてくれる事を願いながらみんなを率いてアドルノ工房を探しに歩き出した。

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