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第一話 頑張って生きてます

 「じぃちゃん出かけてくる!」


 「ハル気を付けての!」


 俺はハル。

 小さい時から父さんと母さんはいない。

 アースハイト王国いう国にある小さな村でじぃちゃんとばぁちゃんに育てられている。

 小さな村なので人もそんなに多くない。

 だいたいが自給自足で畑をしたり、狩りをしたりして足りない物を作物や狩りで狩った獲物を売ったお金で買うくらいだ。

 でも、なぜか人の行き交いが多い。

 なんでだろう?

 それに、じぃちゃんは詳しく教えてくれないけどたぶん父さんと母さんはもうこの世にいないんだろう。

 子供心ながらになんとなく想像がつく。


 まぁでもあまり気にしない。

 気にならないと言ったら嘘になるけど、じぃちゃんとばぁちゃんを困らせたくないからだ。

 それに、じぃちゃんとばぁちゃんがが優しい分、特に寂しさを感じた事はない。

 それに物ごころついた時から首にかけられているネックレス。

 これがおそらく遺品なのだろうか?

 何か温かいものを感じる。


 「よっと」


 俺は今いつもの場所で魔法の練習をしている。

 村から少し離れた山の中だ。

 少し開けた場所でここから村も見える。

 なぜか俺は物ごころのついた3歳の時から魔法が使えた。

 そして自分が他の人と違う事を知った。


 第一に魔力。

 俺は物ごころついた3歳から何となく魔法を理解し何となく使う事が出来た。

 さらにちょっと駄々をこねた時に使った魔法が、普通の大人でも魔力切れを起こすくらいの威力のものだったのに俺は魔力切れを起こさなかった。

 この時のみんなの引きつった顔がトラウマになって、駄々をこねると言った子供の可愛い行動を卒業し大人への階段を一歩登った。

 これだけでも周りから不気味がられたけどまだまだある。


 第二に身体能力。

 同じく物ごごろついた時からそれなりに速く走ることができていた。

 さらに3歳からすでにそこそこの重いものも持てた。

 そこそこで走ったりそこそこの物を持ったつもりだったけど、これもまた常識と違ったみたいだった。

 例えば持った物が、米の俵まとめて四つだったり、馬と同じスピードで走ったり。

 大人の男が三日程家に引きこもってしまって大変だった。

 結局、魔法の暴走だろうって事になったのでその流れにのって今はほどほどに抑えている。

 なので、演技ではそこそこの役者には負けない思う。

 あっ、関係ないか。


 そして、極め付けが髪の色。

 俺は見事なまでに真っ黒だ。

 自分ではそこそこ似合ってると思ってるけど……あっ、違う違う。

 この世界は神の色は生まれる瞬間にその属性の精霊に加護を受けたかで髪の色が決まるみたいだ。


 例えば赤。

 赤髪の人は火の精霊の加護受けている。

 なので魔法は火属性特化。

 補助魔法に関しては攻撃能力アップ系に優れている。


 そして青。

 青髪は水の精霊の加護を受けている。

 魔法はもちろん水属性特化。

 補助魔法に関しては相手の行動阻害に優れている。


 そして緑。

 緑髪は風の精霊の加護を受けている。

 魔法は風特化。

 補助魔法はスピード強化系に優れている。


 そして茶色。

 茶色髪は土属性の加護を受けている。

 魔法は土特化。

 防御力アップ系に優れている。


 ちなみに治癒魔法と無属性の魔法は誰でも修行すれば使える。


 火、水、風、土は四大精霊と呼ばれている。

 さらにその上位に光の精霊がいる。

 上位精霊である光の精霊の加護を受ける者はそうそいないが一部加護を受ける場合があるらしい。

 その時髪の色は少し淡くなるらしい。

 例えば赤がオレンジのように。


 あと、上位精霊の光の精霊に対に闇の精霊がいる。

 精霊というかもはや邪悪なる存在だ。

 人が憎しみや悲しみ、怒りといった負の感情に染まった時闇の精霊の加護を受け髪の色が変わる。

  ……あっ、決して黒じゃない!

 その色は紫となって人格も変わるらしい。

 まぁこれも特殊な例でそうそうないらしい。


 って事で俺みたいな黒髪ってのは例がないらしく俺は気味悪がられた。

 そのせいで物ごころついた時からイジメにあった。

 でも、もちろん全部返り討ちにしてやった。

 『正義は勝つ』だ。

 俺は何も悪くない。

 でも、俺がグレなかったのはそんな俺をじぃちゃんとばぁちゃんが優しく育ててくれたからだろう。

 ちなみにこれが大事だと思うけど俺が使える属性は……全部だ!

 火、水、風、土、光、闇…さらに補助魔法も全般。

 これはさすがに誰にも言えなかった。


 俺は遊ぶ相手がいなかったので、3歳から2年間ひたすら修行をしている。

 こんな状態なので、将来は強くなって誰にも有無を言わせず冒険者として稼ぐとかしないと将来危ういからだ。

 俺だって将来結婚くらいしたい。

 両親がいなかった分、やはり家庭というものに憧れる。

 もちろんじぃちゃんとばぁちゃんには感謝してるし不満はないけど、やっぱり村で見る『両親と子供』って関係に憧れる。

 結婚には憧れるけど人付き合いが少ない分、常識というかなんというかその辺がうまくやっていけるかは不安だ……。

 でも、どちらにしても結婚には安定した収入が必要なので出来る事からしようと思う。


 こんな子供離れした考えも不気味と言われるのかもしれない。

 まぁ、両親がいない事と友達がいない事で少し愛情に飢えているのかも。

 でも、それ以外の部分はまだまだ子供の部分が残ってると思うけど……。

 考えても仕方ない。

 俺は俺だ。

 将来の事を考え修行に励もう。

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