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第十七話 ターニングポイント

 あれから一ヶ月。

 俺はシャーリーに魔法を教えている。

 シャーリーは飲み込みも早く、無詠唱もマスターした。

 ロイに比べてだいぶ早い。

 というか最近は俺が魔法の原理を理解してきたからか、説明が上手になったのが一番の要因だろう。

 ロイの時はイメージが大事というのは分かっていたけど、どう表現したら良いのか分からず、『魔力ぐーっと詰めてパッと打つ感じ』『だから、魔法をパッとイメージして頭の中でサッとまとめる』とか抽象的な良く分からない説明だったと思う。

 ロイはあれで良く理解できたものだと我ながら思う。

 そう考えるとロイには悪い事したなぁ〜。

 でも、仕方ない。


 ちなみにロイも、もちろん訓練を続けているのでシャーリーと出会った。

 何かロイとシャーリーは知り合いらしい。

初めて二人が顔を合わせた時、珍しくロイが慌ててた。


 「あっ、ロー……」


 シャーリーがロイを知っていたのか名前を言おうとした瞬間にロイが連れ去った。

 俺は呆気に取られて動けなかった。

 それはそれは凄まじいスピードでロイがシャーリーを連れ去った。

 俺はしばらく呆然としていたけど、段々と不安にかられそわそわしだした。

 二人が戻ってくるまで俺は一人その場で円を描くように彷徨った。

 おそらく表情もなく夢遊病のように見えただろう。

 少し話した後で戻ってきたけど一体何だったのだろうか?

 ロイの元カノだろうか?

 いやいや……。

 俺はその日訓練に身が入らなかった。


 でも、二人の様子を見ている(監視している)限りそういうワケではなさそうだ。

 昔の知り合いか何かか。


 ロイに聞いたら、


「まぁそのうちな。でもハルが思ってる様な関係じゃないから安心しろ」


 って言われた。


 でも、あいつはなんで人の心が読めるのか?

 新しい魔法でも開発したか?

 いずれ確認する必要がある。


 そんなこんなでシャーリーの訓練に関しては順調に進んでいる。

 今日はロイが来てなくてシャーリーと二人だ。

 今は休憩中でシャーリーが持ってきてくれたお弁当を食べている。

 魔法を教えてもらってるお礼だそうだ。

 むしろ、俺は手作りのお弁当を食べさせてもらったお礼をしたいくらいだ。

 俺はこの時間が一番幸せだ。


 でも、親は心配しないか聞いたところ、


 「私の親は(・・)放任主義なんで。それに……いろいろ大丈夫なんです」


 との事だ。


 まぁシャーリーが大丈夫って言うなら大丈夫なんだろう。


 そろそろ休憩を終えて訓練を再開しようとしたところ空が光った。


 「きゃっ!」


 シャーリーが驚いてしがみついてきた。

 ……胸が当たっている。


 「ご、ごめんなさい」


 シャーリーは慌てて俺から離れる。

 俺は内心そのままでも良いのにと心から思った。


 「大丈夫? 雷かな?」


 とは言ったものの空は雨が降りそうな気配もなく雲一つやく晴れていた。

 とりあえず訓練を再開したけど、しばらくして異変が起きた。


 「ハル君!煙が!」


 見ると村の方から煙が上がっている。


 「村の方からだ! 行ってみよう!」


 何か嫌な胸騒ぎがする。

 俺とシャーリーは村に向かって走り出した。

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