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第百二十五話 ラモル山での出来事 その6

 「……お主何者だ?」


 間に入ってきた黒い人影見て俺とカルザルは動きを止めた。

 そして、カルザルがその人影に問いかける。

 さっきはいきなり視界に入ってきたから分からなかったけど、今は分かる。

 紫の髪に漆黒の鎧、そして刀身こそ漆黒でないもののカルザルと同じように黒いオーラを剣に纏わせてある。

 背は俺より少し低いけど、そんなの関係がない程存在感がある。

 『魔人』俺の頭にこの言葉が浮かぶ。

 『魔人』だとしたら分が悪い。

 ロイが剣を失った上に本調子でないし、女性三人もいる。

 そして何より、『魔人』だとしたらゴルゾーラ教の手先の可能性が高い。

 ただでさえ、底が知れないカルザルを相手にしている上に相手が増えるのはまずい。

 でも、さっきのカルザルの言葉を聞く限りゴルゾーラ教の手先ではなさそうだけど……どういう事だ?


 「貴様に名乗る必要はない!」


 漆黒の鎧の男はそう言うとカルザルに斬りかかる。


 「むぅ……」


 カルザルはそれを剣で受け止めると、黒いオーラ同士がぶつかり合い、衝撃波を生み周りに拡散する。


 「きゃっ!」

 「ど、どういう事!?」

 「いったいどうなってるのよ!?」


 後ろでシャーリー、アリィ、ソニンが驚いている。

 それもそうだろう。

 俺だってこの状況を理解できていない。

 おそらく、ロイとウィルも何が何か分からないだろう。

 でも……。


 「ウィル! みんなを連れて一旦退け!」

 「……その方が良さそうだな。ロイ! しっかりしろ! 行くぞ!」

 「……あぁ」

 「ロイ君……行きましょ!」

 「お兄様、後ろは何もいなさそうです!」

 「でも、ハル君が……」

 「奴なら大丈夫だ! おまえの想い人を信じろ!」

 「は、はい!」


 よし、なんとかみんな撤退を始めたようだ。

 ロイがあんな様子な以上、ウィルが頼みだけどあの調子なら大丈夫そうだ。

 ウィルもさすが一国の皇子だけあってリーダーシップを発揮してるし、何より頼もしい。

 そして、ロイにはアリィもついてるし。

 あっちはウィルとアリィに任せて俺はこっちをなんとかしないと……。

 よし、行くか!

 俺は再度剣に魔力を漂わせて、前で斬り合う黒いオーラに包まれた二人を見据えた。

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