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第百十六話 コルト都市国家での出来事 その30

 「今回はいろいろとご苦労だった。こちらとしても申し訳ない」


 部屋に入るなり、俺たちを目にしたコールさんは謝罪の言葉を口にして頭を下げる。


 「コ、コールさん頭を上げてください! コールさんは何も悪くありませんよ!」

 「そうだ。すべてゴルゴーラ教のした事だ」

 「予想を超える出来事だった。これは誰も予想出来なかった事だろうし仕方ない」


 俺に続いてウィルとロイが言葉を口にする。

 実際、コールさんは何も悪くない。

 悪いのはすべてゴルゾーラ教だ。


 「まぁ、ギルド長がそんな簡単に俺たち冒険者に頭を下げるもんじゃないぜ?」

 「そう言ってくれると助かる」


 ダリウスさんの言葉にコールさんは答えるとゆっくり顔を上げた。

 俺たちは冒険者じゃないけど。

 ん?

 いや、冒険者なのか?


 「……すまない、だいたいの話は聞いているが、直接話を聞かせてもらえないだろうか?」

 「分かりました。ラーク大森林であった事、知っている事をお話します」


 俺はさっき考えてた事は少し封印して、コールさんの問い掛けに頷き、ラーク大森林であった事、合わせてゴルゾーラ教の事、イストニア帝国との戦争でゴルゴーラ教がした事、魔獣化、魔人化の事を話した。


 「そうか……。そんな事が……」


 コールさんはそう言うと腕を組んで目を閉じた。

 そして、しばらく目を閉じた後、目を開け口を開いた。


 「君たちの言う事はよく分かった。この件に関してはギルドでも引き続き調べる」


 コールさんは俺たちが言う信じられない話を信じてくれたみたいだ。

 でも……。


 「あの、この事はーー」

 「もちろん、上層部のみ知らせ内密にしておく。まだ確定していない事で世間を不安にさせるのは良くないからな」


 良かった。

 イタズラに世間を不安に陥れるのは良くないし、新たな問題を引き起こす可能性もある。

 

 「ありがとうございます」

 「いや、良い。それよりこれから君達はどうするんだ?」

 「ゴルゾーラ教を追います。その為にここに来たのですから」

 「そうか……危険だが、君達なら大丈夫かもしれないな。本来なら私たちも大々的に動くべきかもしれないが……まだ確証がないからな。すまない。次はどこに向かうつもりなんだ?」

 

 コールさんは申し訳なさそうに俺たちに話す。

 次の行き先……ゴルゾーラ教の事は何も掴めていないし何も決まっていない。


 「何も決まっていないなら、ラース教皇国へ行ったらどうだ? あそこの国はこの世界の主流のラース教の総本山だから、宗教の話もいろいろ集まるだろう」


 俺たちの様子から察してくれたコールさんはアドバイスをくれた。

 ラース教皇国、この世の唯一神と言われる創造神アテンを神とする宗教でこの世界で一番メジャーな宗教のラース教の教皇領である国。

 コルト都市国家から西へ行ったところにある。

 確かに行き先が決まってないなら、ラース教皇国へ行くのも良い。

 宗教の事は宗教者に聞けって事だな。

 

 俺はみんなの様子を見ると、みんな無言で頷いた。

 ラース教皇国では何が待ち構えているか、それとも何も起きないのか。

 とりあえず、俺たちは次にラース教皇国へ向かう事にした。

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