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プロローグ

初めて投稿させて頂きます。

設定等甘い部分があるかもしれませんが地道に更新していきたいと思っておりますので良ければ読んでみてください。

 遠い昔。

 人類とは区別される古代人種と呼ばれる者たちが世界を治めていた。

 卓越した身体能力。

 圧倒的な魔力。

 世界の理を知った知識。

 古代人種は創造神の末裔とも呼ばれていた。

 世界は魔法と文明の発達により限りなく発展した社会を築いていた。

 人々は魔法を使用し、または機械を使う事で何不自由のない生活をしていた。


 しかし、その終焉は突然やってきた。


 「国王様! ここは危険です! 早く脱出を!」


 煌びやかな室内に、につかわしくない兵士の大声と外から怒号が鳴り響く。


 「それは出来ん! おまえ達を置いて逃げる事は出来ん!」

 「国王様……」

 「ここで奴を食い止める! ……ララ! ララはいるか!?」


 「はい、ここに……」


 ララと呼ばれる女性は不安な表情を浮かべながら腕に生まれて間もない赤子を抱き、姿を現わす。


 「ララ……すまない。ここで奴を食い止める。しかし、今の奴の力を考えれば絶対とは言えない。だから、ハルは避難させたいと思う」


 「……分かりました。この国を救う為……でもどこに?」


 「奴をどうにかしなければどこにいても危ない。しかし、絶対にと言えない今……禁術の時空魔法で未来に送ろうと思う」


 「未来に!?」


 「そうだ。今の奴との戦いは死闘になるだろう。どんな結果になれ、この世界の環境を大きく変えるかもしれない。だから、未来に避難させるのが一番だと思うのだ。しかし、禁術の為に今の状況では一人しか送る事ができないが……」


 「で、でもハルはまだ生まれたばかりです! そんな……」


 ララはハルと呼ばれる赤子を未来に送るという事に、そして何より生まれたばかりの赤子を一人で知らないところに送るという事に拒否を示した。

 『子供と離れる』

 それは、子を持つ母親にはあまりにも残酷な事だろう。

 赤子は理解しているはずはないが、大声出して泣き始めた。


 「ララ……今は一人しか送れないが無事に奴を倒せたら二人で迎えに行けば良い。それにハルを最初に見つけた者に世話をしてもらえるよう精神誘導魔法を設置しておく。それとハルという名前は必ず認識させる」


 「……分かりました」


 このままここにいては我が子も殺されてしまうかもしれない。

 そう考えると、母親としては辛い選択だが、現状これ以外に我が子の命を確実につなぐ方法は思いつかなかった。

 ララは泣く我が子をあやしながら決断した。


 「ララ……すまない。ハルにはこれも持たせようと思う」


 「……それは?」


 国王はそう言って一つのネックレスを差し出す。

 それは平凡な宝石のように見えたが、すごい力を秘めたものだった。


 「エターナル・ログ。長きに渡り開発したもの。今までの記憶……あらゆる知識や技術を魔石化させた結晶に詰めたものだ。つまりこれが作動しハルに継承されればハルは私を超える存在になる。ただ、心身ともに負担がかかる為、命の危機が無い限り作動しないように作制御をかけたが……。つまりこれが作動しないうちはハルには危機が迫っていなく、危機が迫っても作動すればハルが死ぬ事はほぼないだろう」


 「そのようなものが……」


 「では、時間がない。ハルを未来に送るぞ」


 「ハル……」


 次の瞬間、ハルと呼ばれる赤子を中心に白い光が広がる。

 国王とララはその眩しい光の中、必死に目を開け最後の瞬間まで赤子を見守った。

 そして、白い光が収まる時にはその場に赤子の姿はなかった。


 「……よし、では奴との決着をつけてハルを迎えに行くぞ」

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