プロローグ
初投稿の作品です。誤字脱字等の至らない点があるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
この小説はとある普通の少年と死神を名乗る不思議な少女との奇妙で、不思議で、ちょっと複雑な物語。
「それでも、俺は生きていたいんだ! 例えそれが世界に逆らう事だとしてもだ!」
「君は君のやりたいことをやるんだ。もう、ありとあらゆる未練を残さないように」
勝手に決められた死を、理不尽を、不条理を、覆せ。
では、どうぞ───
とある都会の商店街、日の暮れかけの夕刻に一人の少年が人目を気にせずにスキップをしていた。
(いやぁ、今日は俺の誕生日だ。嬉しいなぁ)
自身の誕生日に心から喜んでいて気を良くした少年は鼻歌を追加した。
(あ、自分への誕生日プレゼントどうしよ?)
スキップと鼻歌を止めて、物思いにふける少年。うーん、と唸っており、何にしようか悩んでいるのだろう。顎に右手を添えて辺りを見渡して品定めしているようにも見えなくもない。
「うーむ……あ、そういや腕時計が壊れたんだった。うん、前のは落としただけで壊れたし今度は強度の強い時計でも買おう」
うんうん、と頷き自己完結すると再び辺りを見渡す。と、近くに時計屋があったので少年は迷わず店へと入っていった。
「ありがとうございましたー」
「しまった……店員に勧められるまま高い方を買ってしまった……まぁ、いい感じの時計だしいっか」
そう言って少年は左手首にすでに着けてある腕時計を空にかざす。銀色が主体の腕時計で、指針や時刻を表す数字は緑色で、ほのかに光っている。
「いい買い物したなぁ」
ホクホクとした幸せそうな笑顔で少年は歩く。誰が見たって、コイツは今幸せ者だと思えるだろう。少年はあまりの嬉しさに再び鼻歌を歌う。歌いながら歩いていると、道のすみにポツンと置かれた小さな看板が目に入ったので近付く。
「『占い、いたします。この路地裏入ってすぐ!』……へぇ、占いかぁ」
今日が自分の誕生日だからか、それとも単なる好奇心からか、少年はその小さな看板に書かれている通りに路地裏へと足を運んだ。
看板に書かれている通りに、それは路地裏に入ってすぐ、左の方に黒いローブを着たそれっぽい人がいた。顔は隠しておらず、老婆だということがわかった。
(本当にすぐだとは……)
「お主、名前は?」
「……へ?」
急な質問に呆けた少年に、老婆は顔をしかめる。
「占いをするために来たんじゃろ! さっさと名乗らんか!」
「す、すみません! えっ、と……俺の名前は青屋孝平です」
「フン、そこにある椅子に座んな」
ぶっきらぼうに言うと、老婆はカードを懐から取りだして適当に机の上に捨てるような置き方をする。
少年──青屋が座った時にはそれはすでに終えていた。老婆は適当にカードを一枚取り出す。それはローブを着た骸骨が鎌を持って人の首を刈り取っている絵だった。実に趣味が悪い。
「……ほぅ、中々面白い定めじゃのう、青屋孝平とやら」
「はい?」
「これから起きることを予言する。青屋孝平。お主は死ぬ。今日から一週間内にな」
「────……はい?」
老婆の言っている事が全くわからない青屋だった。