LOG.11 ―首輪を、貴方に / COLLAR ―
——実話。
こんな人生で、マトモは無理だった。
これは、
現実にあったかもしれないし、
無かったかもしれない。
もう一つの結末。
————
シンは決断した。
やっぱりまずい。
ホテルには、
行かないようにする、と。
今日の彼は
確実に欲に負ける。
シン
(…交渉しよう。)
シンは店から
ミカにLINEを飛ばした。
シン
『メイさん』
『ホテルには行かない。』
『約束は映画のはずだよ。』
ミカ
『はぁ?』
『なんでよ』
『喜びなさいよ!』
『普通、喜ぶとこよ!!』
シン
『映画に行こうよ。』
『ミカが大事だから言ってる。』
ミカ
『こないと、
どうなるか分かってるの?』
シン
『もう俺は同じことしか送らないよ』
『ミカが大事なんだ』
『楽しい関係でいたいんだ』
『映画じゃダメかな?』
ミカ
『も~!童貞!』
『アンタ、やるわねぇ』
『撮影もしちゃったし』
『マスターに今更言っても、ね』
『だから強気なのね』
シン
(バレてた)
ミカ
『いいわ、駅で待ち合わせね』
『迎え来て。駅の映画館行こ。』
『ホントしぶといわね!』
『バカ童貞!』
シン
『今から迎え行くから。』
シンは
また生き残った。
シンは、そう思った。
ホテルに行っていたら
確実に理性を爆破されていた。
ミカ
『まって。』
『ホテル来ないなら…』
『わん って送って。』
『それなら許してあげる』
シン
(なんのこっちゃ…)
(許す。ってなんだよ…)
シンは小さくため息をついた。
もう、
要望は通ったことだし
まぁいいか、と思った。
シン
『わん』
ミカ
『はははー!』
『わんちゃん!わんちゃん!』
『可愛いね!♡』
ミカは
これで満足なんだろうか…。
シンには
疑問でしかなかった…。
しかし、
着実に、少しづつ
シンの人格は食われていた。
本人は気づいていない。
ーーー
シンは
ミカを迎えに行った。
ミカは
シンの車を見つけると
急いで車に寄ってきた。
バンッ!
とドアが折れそうなくらい
助手席を開けるミカ。
ミカ
「アンタねぇ…!」
「なめてんの…!?」
シン
「ま、まって」
「メイさん…」
「俺、わんって言ったよ?」
「機嫌直してよ…。」
シンは
少しミカが分かってきた。
ミカが肉食獣に見えてきて
さながら、
猛獣使いになった気分だった。
ミカ
「……。」
「まぁ…そうねぇ。」
「もう一回言って。」
「そしたら機嫌直すわ。」
シンは
肩を下げて息を吐いた。
シン
「それの何が良いんだよ…」
「…わん」
ミカ
「うふ…♡」
「もう一回!」
「ほら、早く!」
シン
「わん」
ミカ
「ふん…♡」
「満足、満足…!」
「さ!行きましょ!」
シン
(うーん…帰りたい…)
やはり、
シンは猛獣使いだった。
が…!
シンのこの
"ミカを理解した"
という余裕が
後に
時限爆弾となる。




