LOG.1 ー その女、ミカ / MIKA ー
——実話。
こんな人生で、マトモは無理だった。
これは、
現実にあったかもしれないし、
無かったかもしれない。
もう一つの結末。
————
これは…
ある男が、地元を離れ、
知らない街で、
人生が狂った話だ。
男の人生を狂わせたのは、
たった、ひとりの女。
名前は、ミカ。
現役モデル。
フィリピンハーフ。
性格以外は、完璧美少女。
可愛いのに、綺麗。
綺麗なのに、近づくとどこか危ない。
男は、
どこにでもいる普通の男だった。
名前は、シン。
整体師。自営業。
小柄で筋肉質。
チビで、ミニクッパに似ている。
真面目に働き、
真面目に生きて、
真面目にモテなかった。
……が、
仕事だけは順調だった。
自営業を始めてすぐ、
数字が上がった。
なんの刺激もない、
平々凡々な人生。
その代わり、
なんの苦労もない人生だった。
そんな時だった。
シンは、
バーでミカの写真を見た。
綺麗とか、
タイプとか、
そういう話ではない。
ただ一つ、
頭に浮かんだ言葉があった。
何故か…
目が離せない。
それは、
恋でも、
遊びでもなかった。
ミカは、
距離の詰め方が
妙に自然体だった。
隣に座る。
香りを残す。
目は笑わず、
口だけで笑う。
そして、
冗談みたいに言う。
「ミカは、わんちゃんが欲しいの!」
「ペットじゃなくて、」
「人間のわんちゃん!」
……わんちゃん?
大の男が、
そんな関係になるはずがない。
そもそもシンは、
女にペコペコしない主義だった。
だが、気づけば彼は、
ペット扱いを、
拒否できずにいた。
そして…
そんな中で
彼は、
大きな決断をする。
だが、それは、
もう少し先の話だ。
今はまだ、
ただの始まり。
これは…
現実にあったかもしれないし、
なかったかもしれない。
もう一つの、結末。




