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【完結】傷ものメイドはBLゲー攻め達に囲まれる〜悪役令息の執着が止まりません〜  作者: 日月ゆの
第三章

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5秒はギリアウト



「ミラがー!! ついに逃げ出しましたー!!」



 マインの絶叫が朝の準備に勤しむ屋敷内に響き渡る。


 その叫び声と、ごっそり表情が抜け落ちた主人が駆ける姿に、使用人たちは掃除の手を止め、すっと道を開ける。

 頭を下げながら、すべてを理解した使用人は、とうとうミラはノアの執着に気づいたのかと安堵する。

 だが、すぐにある可能性に思い至り、一斉に血の気が引く。


 ⸺まさか「監禁」はしないよね?


 ミラを可愛がる使用人たちは、それぞれ目だけで見合わせる。

 恐ろしすぎて、主人に聞くに聞けない。

 鬼気迫る勢いで駆け抜けていく若い主人の背中を、無言で見送ることしかできない。


 「ノア坊っちゃん!? どうされました?!」


  正面から声をかけられたのは、この屋敷で唯一、主人に物申せる男セルゲイだった。



 ノアはセルゲイを見ることなく、告げた。


「ミラが逃げ出した。馬を用意しろ!」


 ノアの地を這うような声に、並走するセルゲイが珍しく切羽詰まったように返す。


「連れ戻しても監禁はしませんよね?!」


 善良な思考を持つ使用人たちは固唾を飲んで返事を待つ。彼女らのハタキや雑巾を持つ手が震えている。


「…………しない!」

「たっぷり5秒! 迷われましたよね?!」


 ちっと舌打ちしたノアはセルゲイに殺気立った目を向ける。


「ミラの嫌がることは決してしない!! ノア・ラスフィの名に誓おう!」


 屋敷内から安堵の歓声がわあっと大きく上がる。


「ミラの身の安全が第一だ!!」


 ノアがそう拳を突き上げると、同調するように使用人たちも倣い、雑巾を投げ、ハタキを掲げる。


 誓いを立てたノアは、協力的となったセルゲイから外套を受け取る。

 門前には、厩舎からすでに御者が馬を引き連れていた。

 時間が惜しいと直ぐさま馬に跨るノアに、セルゲイが発破をかける。


「必ずミラを連れ戻してくださいね! 道がぬかるんでいるので、お気をつけて!!」



 ⸺世界の果てまで俺は追いかけるよ、ミラ。



 手綱を短く持ったノアは振り向くことなく、手を上げる。馬の腹を蹴り、雨の中、飛び出していった。


 

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同じ異世界恋愛短編ですお時間あればぜひ 追放された幼女聖女ですが、今はエルフ王子に溺愛されています
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