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傷ものメイドはBLゲー攻め達に囲まれる〜悪役令息の執着が止まりません〜  作者: 日月ゆの
第三章

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魔法少女☆ミラ

 

 扉に入ると、天井まで届く姿見が圧巻なドレッサールームだった。

 広々とした空間に、所狭しと煌びやかな宝石が縫い付けられた繊細なレース地のドレスが並ぶ。

 さらに、続く扉の先にはパウダールームがあり、エリカとエリカの友人メリッサにミラはそこに押し込まれた。



「えと、その……もう禿げちゃうんじゃ……」


「いいえ! この御髪に似合う髪型、ドレスはまだあるはずですわっ! ミラ様の可愛いさは天井知らずなのです!!」



 片手に櫛を、もう一つの手にはコテを持つエリカに、化粧台に腰掛けたミラは弱音を吐く。


 現在、正面の鏡に映る自分は『魔法少女』だ。


 ピンクとオフホワイトを基調に、スカートや胸元にフリルをこれでもかとあしらい、ふんわり広がるスカートが可憐なドレスだ。


 極めつけは、首に巻くピンクリボン。

 髪型は、毛先がクルンと巻いたツインテール。



 ⸺絶対に自らすることない組み合わせだ。



 決めポーズでもしたら、もう完全に肉弾戦が得意なニチアサ女児アニメの主役。


 眼鏡だけは死守したが、ほんの少しだけお化粧もされたのだ。



(なにも聞かずに眉下のキズが見えないようにしてくれた……優しい人たち)



 表情すら変えずにコンシーラーで隠され、キズについて聞かれることもない。



(……どうしよう)



 ふっくらツヤめく唇やほわっと血色の良い頬。

 瞳を隠す大きな眼鏡すら愛嬌と知的さも加えるアクセントになっている。

 ちらりと見るだけでも、鏡の中の自分はまるで別人だ。


 傷ものの自分には縁遠い『可愛い』が詰まった格好に、嬉しいようなくすぐったい気持ちが湧く。


 エリカとメリッサの熱量高い称賛も拍車をかける。



(本当は憧れてたんだよね……キズが気になるから諦めたんだけど)



 つい、もじもじと両手をいじってしまう。


 そんなミラにメリッサが微笑みながら、可憐なミントグリーンのドレスを、ミラの肩に当てた。



「エリカお嬢様。ミラ様の愛らしさに正気を失うのは仕方がないことですが、今日のところはミラ様も初めてなのでお止めください」


「……メリッサ。あなた説得力皆無よ!」



 つんと腰に手を当てたエリカが目でドレスを指す。



「……次回のために靴や手袋などの装飾品を見立てていただけですよ。こちらに預けている品だけでは足りないかと」



 一切表情を変えずに、メリッサはミラにドレスを当てたまま答えた。



(え? 次もこれあるの? )



 ぎょっとしたミラはメリッサとエリカを見てしまう。



「いえっ! そこまでされなく⸺」


「一理あるわね。早速、屋敷のクローゼットと目録を見直しましょう!」



 ミラの抵抗の声を遮るように、パンっと両手を叩いたエリカの一声で、本日はこれで終了となった。



 ちなみに、すぐさまドレスを脱ごうとしたらエリカとメリッサに両脇固められ、リオンにもこの似非魔法少女を披露させられた。



「なんか……モンスターに首からぱっくり食べられそうな魔法少女だね!」



 というよくわからない具体例付きの評価をもらった。


 意味不明だ。


 精神的にまだミラが耐えられたのは、ご主人様に見られていないからだった。


 しかしミラは最悪なタイミングでノアにこのお茶会と格好を知られることになる。


 

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同じ異世界恋愛短編ですお時間あればぜひ 追放された幼女聖女ですが、今はエルフ王子に溺愛されています
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