初日夜、三時間後の通知
★現在地:一日目の夜/通信発生
さっきトイレした穴に飛び込んで、どこまでも下に泳いでいきたくなった。冷たい地下水で頭を冷やすしかない。いや、もう冷やせ。俺。
「しかも、医療アドオン、大佐の友人???! 軍人の友人にギーグがいるの? ああ、そういやシュトラウス大佐って、クリスマスカードを三億人に贈るって言ってたな。人脈凄いよな」
しかし、PCの中を見られた。何だ、この恥ずかしさ。
ぴろん……
メール着信音。
『良かった。生きていたか。意思の疎通も出来るのだな。
まずは祝わせてくれ。おめでとう。生きていてくれてありがとう。
発信、アレキサンダー・シュトラウス海軍少将』
熱い。大佐、熱すぎる。
『君が生きていてくれるなら、まずはそれでいい。こちらの体も、二時間ごとに体勢を変えるようにする。服を持つと手足が動くようだからな。要介護者として登録した。君がしていたように、トレッドミルで歩かせ、夜は横にさせよう』
介護されてるうううう。
いや、ありがたい。でも、なんか……なんか……
『三時間後にログアウトできるようなら、すぐ戻ってきてほしい。だが、そのゲームは序盤の生き残りが非常に難しいだろう。君のコンピューターで、君のプレイ画面が表示されている。少なくとも「KIWAMI」だから、死んだら終わりだ。
だが、一つだけ光明がある。
こちらで危機になった時、ゲーム世界に入れば、全人類が生き延びられるのではないか、ということだ』
え。そんな話、あるのか?
★読書フェーズ切替:個人生存→世界的意味付け
焚き火の音が、さっきより小さく聞こえた。洞窟の壁も、ベッド代わりの土床も、何も変わっていないのに、選択の重さだけが増えていく。
ログアウト三時間後。その条件が、ただの救出ではなく、入口になる可能性。俺の生存が、地球側の選択肢になるという構図。
世界は、まだ繋がっている。
だからこそ、ここで死ぬわけにはいかない。




