地球と繋がっている!
# 本文(最低限の校正+必要最小限の自然な追記)
★ 通信内容展開フェーズ/現実側状況把握
『現在、君の体は、『USアレキサンダー』の中にあるようだ。少なくとも、こちらからはそう見える。
寝室で寝たままゲームを起動したようだな。推測系なのは、君の体が見えていないからだ。
君の衣服とガジェット類が、装備された状態で浮いている。
見た目は、透明人間が服を着て、ガジェットを身につけている状態だ。
だが、体の部分は何もない。透明ではなく、「そこに空間が欠けている」ような、「何も無い」状態だ。
恐らく、君の肉体ごと、ゲーム世界に飛んだのだろうと推測している』
……ちょっと待て。
文字を追っているはずなのに、頭が一拍、置いていかれる。
★ 既存事例共有フェーズ/不可逆条件提示
『他の、ゲームをしている者たちも、そのように服だけが「着用している姿」のまま存在していた。
だが、ゲームが終わると帰ってきた。
ただし、ゲームの終了方法で結果が違った。
「あなたは負けました」なら、無事リアルに帰ってきた。
「あなたは死にました」と告げるゲームでは、浮いていた服が床に落ち、本人も連絡先も消えた。
つまりは、死んだのだ』
……えっ?
ナンカ、凄いこと言われてないか、これ。
★ 生存状態仮説フェーズ/観測根拠提示
『君はまだ、体は透明だが、生きているものと推測する。
君のコンピューターにハックをかけて、君のゲーム環境を確認した。
君のアカウントで、『ステイタスボード』のスキルで設置した、右目のカメラだろう映像が、こちらでライブ公開されている。
ワークステーションでサーバーを作って、マイピをやっているな。
ほとんど全部のアドオンをインストールしている。
私の友人の作った、医療アドオンも入っているな』
……待て待て待て。
ハック? ライブ? 右目カメラ?
情報量が多すぎて、思考が追いつかない。
◆ システム確認ブロック開始
『この事態になってから、スキルで取得できる『マイピ』のアドオンも入れただろう?
過去ログから見て、医療アドオンは、まだテスト状態で実用したことがないようだ。
だが、恐らく、君はその医療アドオンをインストールしているがゆえに、ゲーム内で長生きできるだろう。
飲食と排泄と健康を、調節できるからだ』
★ 比較評価フェーズ/他プレイヤーとの差異
『他のRPGをしていた者たちは、恐らくモンスターに負けたのもあるだろうが、
飲食できない状態だし、排泄もできない。
知っているだろうが、重ねて書いておく。
水を飲まなくても三日は生きていられるが、排泄できなければ二日で死ぬ。
現状、君のマイピのアドオンを考えると、地球で生活するのと、ほぼ同程度の生活が出来る』
……冷静な文章なのに、書いてあることが全部、命の話だ。
★ 覚悟要請フェーズ/時間制限提示
『ただし、「三時間でログアウト」できなければ、
永遠にそのゲームの中で生きることになるかもしれない。
それを、覚悟しておいてくれ。
楽しいからログアウトしようと考えていないなら、
今すぐ、ログアウトを試みてくれ。
それが無理な場合、まず、生き延びることに注力してくれ』
そう……うん、俺も三時間ログアウトを待ってはいる。
……三時間。
数字が、やけに重い。
★ 行動優先順位提示フェーズ/通信方針
『これからも、私はこうして君にメールを送る。
だが、忙しい時は後回しで構わない。
君の生存を第一にしてくれ。
今も君が元気でプレイしていることを願う。
発信、アレキサンダー・シュトラウス海軍少将』
……うっわ…………。
脳内に、嫌な予感が駆け抜ける。
「まさか……『俺の趣味フォルダ』も、見られた……!?」
◆……AI副官ログ(AI LOG)……
【AI副官デリミタ子】
・重要事実確定:死亡判定条件=ゲーム内「死亡」表示。
・生存優位性確認:医療アドオンによる排泄・健康管理可能。
・制限時間警告:ログアウト猶予三時間。不可逆フェーズ接近。
・心理反応記録:「趣味フォルダ」への言及。緊張緩和用ユーモア発生。




