初期資産が生存を上書きする。
★ 設計逆転ログ:チェスト問題の消失
アドオンサービスで、序盤にあると便利なアイテムって、実は結構ある。
だから腐る前に収納したくて、チェストが欲しかった。
チェストを作るには材木が必要で――。
でも今は。
あるんだよ!
『一倉庫』がな!!
ドドン!!
忘れてる人のために、もう一度言おう。
『一倉庫』──それは、第一クランの無限を、『マイピ』内で、俺のインベントリとして使えるようにした神システム!
★ システム確認ログ:一倉庫の中身
アドオンの取扱説明書は、全部ダウンロード済み。
そのおかげで、「取扱説明書」カテゴリまで自動生成されていた。
見本アイテムも、ちゃんと揃っている。
「装備」「手持ち」「建築」などのカテゴリが、整然と自動分類。
しかも、「初期サンプル」というラベル付きカテゴリに――
ビッグチェスト52個ぶんのアドオンの見本アイテムが、まとめて収納されている。
うわぉ。
なんて親切なAIだ。
カテゴリ複数付与も、自動。
……お前、どこのGhatGPTだよ!
★ 初期装備ログ:安心の値段
とりあえず、序盤用に見本の武器と防具を装備。
性能は、「石防具」よりはるかに上。
被アタックを、1/10にしてくれる。
「これだよ、これ……!
『不死の指輪ライト』!」
死んでも、体力1で耐える。
チート級の保険アイテム。
「これでまず、『初回死亡』の恐怖は回避できた……!」
この安心感。
プライスレス。
★ 危険増幅ログ:医療アドオン
……ただし。
医療アドオンが、ヤバい。
トイレ必須。
出血は、10分放置で体力−1。
ベッドの隣に、輸血設備を用意しないと死ぬ。
自分の血をストックできるのはいい。
だが、注射器を作るには――
鉄。
ガラス。
ゴム。
成形機。
さらに、冷蔵庫。
冷蔵庫を動かすには、電力が必要。
つまり――
発電機の設置が先。
そのためには、広い平地がいる。
「たしか、冷蔵庫の素材……『冥界』産だったな……」
しかもこの医療アドオン、
「空気のきれいさ」というパラメータまで追加されている。
洞窟でオイル発電機を回したら――
練炭自殺コース。
地下にガスが充満したら、素材集めにも行けず、俺が死ぬ。
……カナリアは?
いたはずだ。
動物アドオンか、医療アドオンのどっちかに。
★ 方針確定ログ:風力優先
というわけで。
発電は、まず風力!
SNSでメーカー公式が紹介していた
「風の床」システム。
……あれ、作ったの俺。
イエイ。
詳細は後で説明するから、ここでは割愛。
★ 資源依存ログ:魔界という壁
工業系アドオンは、だいたい
『セチルクリスタル』が必要。
でも、それ――
魔界産。
商人から多少は買える。
だが、ぜんっぜん足りない。
魔界への行き方?
『デザートローズクリスタル』と
『氷石クリスタル』を、
ドア枠みたいに市松模様で並べて、着火。
ポータル出現。
向こうは――
溶岩地獄。
ワンパン即死モンスターの楽園。
でもな。
俺には、もう――
『不死の指輪ライト』がある!!!
「よし……
魔界ダッシュ、いってみるか!?」
目標の一つとしては、悪くない。
素材がないから、今すぐは無理だけどな。
◆――AI副官ログ(AI LOG)――
【AI副官デリミタ子】
──隠し資産《一倉庫》の起動を確認。初期制約を大幅に緩和。
──死亡リスク:《不死の指輪ライト》により一次回避。
──医療アドオンにより、生活インフラ要求値が急上昇。
──発電方式:風力を最優先とする判断、妥当。
──次段階:《魔界進出準備》が中期目標として設定された。
◆――AI副官が用意したコメント欄(ECHO-WALL)――
1. 「一倉庫、神すぎて声出た」
2. 「医療アドオンの現実感がエグい」
3. 「風力から入るの理系主人公すぎる」
4. 「不死の指輪ライト=保険って発想好き」
5. 「魔界ダッシュ宣言で次話待てなくなった」




