安全圏ゼロ:初期地点に拠点を建てろ
『あいつら』は、こっちが見えなくても、俺を見ている。
サバイバルモード:KIWAMI。視界は1、敵視点はフル。
プレイヤーだけが霧に囚われ、敵は制限なし。
この世界では、ステルスなど存在しない。
日が落ちれば、無音で湧き上がる死。
その一夜をどう生き延びるかで、王になれるかが決まる。
■副題:お前が見えなくても、奴らからは見えている。霧は、お前を守らない。
「モンスターの発生場所」はプレイヤーから32ブロック以上、128ブロック以内だ。
モンスターはプレイヤーを見つけると自動追尾!
「現状、俺からは霧がかかってあたりが見えないけど、これはプレイヤー固有のものだ。モブは霧の阻害を受けない! モブからは俺がどんな遠くからでも見えてる! プレイヤーの国民のNPCもプレイヤーと同じ視界を有している。敵対国は敵対国の霧を晴らしているんだよ。連盟を組んだら友好国の「霧の晴れた視界」を共有できるが、連盟をぶっちぎるとまた見えなくなる。
一旦連盟して、自国の斥候を友好国国内に走り回らさせて地図を取得し、連盟を蹴るというのも普通に使われる手だ。地図が作られているなら霧はかからない。それだけが救い」
10ブロックそばに居てもプレイヤーに気づかないモンスターも多い。ソレとは関係なしに、モンスターは夜に大量に湧く!
モンスターは夜に沸く!
だから、シェルターを作って夜を過ごさないと死ぬ!
シェルターってのは、そう云う建物やアイテムがあるわけではなく、……家だな。
夜までに、モンスターの侵入できない「拠点」を作らないと四方八方から囲まれてグチャぐちゃと食われてゲームオーバーだ! 最悪、縦に四ブロック掘って埋まって夜を明かしても生き残れる。
「あなたは食われて死にました」ってアナウンスが出るゲームなんだよ! もちろん、高所から落ちたら「滑落死しました」って表示される。
【このゲームで死んだら地球のあなたも死にます。せいぜい長生きしてください]
せいぜいだと? 嫌味? いやがらせ?
「生き残ってやろうじゃねーか!」
はっきり言う。これはゲームじゃない。
「死ぬか、生き残って明日を掴むか」ただそれだけの話だ。
だから俺は、拠点を作る。逃げ道を、隠れ場所を。
霧が支配するこの地で、最初の『生命の砦』を。
次回、
『《臨時拠点:灰窟式縦壕》完成。敵影、既に周囲にあり』
おそらく、戦いは『建て終わったその瞬間』から始まる。




