スコップは武器。童貞はステータス。毒はリアル。
ついに戦闘突入! しかも、スコップ片手に命がけの攻防です。
体力ギリギリの中で、語られる“俺”のバックグラウンドと、襲い来る魔術師。
ただのサバイバルじゃない、“感情と毒”のダンジョンへようこそ。
――弓、毒、スコップ、俺――
咄嗟に松明をスコップに持ち替えてゾンビを殴りあげ、切り倒す。
スコップは武器ですね、大佐!
他にも、骸骨戦士と魔術師が向こうに湧いてる!
「マジか! 魔術師とかレアモンスターなのに! 引きがいい!」
ってことを喜ぶべきか!
攻撃力が高くて、太古だとまず体力1まで削られることを悲しむべきか!
とにかく、スコップでどうにか倒して、洞窟の中にも松明を追加。
ギリ、体力5で耐えた!
いつもだともっと減るのに……
まじで命かかってると思うと、凄いな俺!
戦闘は、好きではないけど巧いからな! 実際に空手もやってるし!
……というか、『マイピ』でVRが出た時に、動きがあまりにとろくて殺されまくったから、格闘技習ったんだよ。
お陰で痩せて腹筋割れたし、女子にたまに食事を誘われるようになった!
でも童貞だけど。
妹と母との折り合いが悪いから、女性に対して親近感とか持てなくて……
一緒にユーチューバーの番組やってるミナちゃんとか、女の子だと思うけど、平気なんだけどな。画面の向こうの人だから。
女の子自体、世界からいなくなれ、とは思ってない。女嫌いではない。男よりよっっぽど好き!
街に女の子がいると華やかでいいと思う。でも、そばに来られると困る。複雑。
動物アレルギーだからネコは飼えないけど動画や写真のネコは好き!って感じ。
なのでハンカチに「私はコミュ障です。仕事の話以外はスムーズに話せません」と書いて持ち歩いている。
案外、それを見せると日本では十分だった。話せないわけじゃないんだけどな。話したくないから。
……というか、特に日本の女の子って、もう、全然、話しわかんない。意味わかんない。
なんで食事とか服の話につきあわされなきゃいけないのか、なんでそれを俺に話すのかがわかんない。
好みを聞かれるのも面倒くさい。
食べ物の好みなんて毎日違うだろ。今日は疲れてるからチョコ食べたい日もあれば、四川食べたい日もあるだろ。
舌がサンラータンになってるときにチョコ渡されても困るんだよ。チョコは腐らないからいいんだけどさ逆だと地獄じゃん?
アメリカの女子は、女史だからな。女傑だからな。
ブラック環境でもキリッとピンヒールはいてる女史は男と一緒。
ビジネスライクだからめちゃくちゃ仕事のことは喋れる。
シャツのボタンをもう一つ留めてくださいって人もいるけど。
アメリカのブラックって凄いからな。3ヶ月連勤だからな。マジ勘弁してくれ!
「はっ!」
飾り穴の空いているドアから骸骨戦士に弓で射られたので、ドアから見えない壁に張り付く。
ゲーム以外のこと考えてていい時間じゃなかった。
壁が冷たい。
背中が冷たい。
ゾンビに引っかかれた腕が、火がついたように熱かった。
今、毒で体力がさらに1減った!
毒ーーーーっ!
◆――AI副官ログ(AI LOG)――
[T+3015sec] 【AI副官デリミタ子】
──戦闘ログ:スコップ使用によるゾンビ撃破を確認。武器換装成功。
──洞窟内:松明復旧、光源復活確認。ただしゾンビ再湧きエリアあり。
──敵種:魔術師(希少)+骸骨戦士(時代外種)。バランス異常警告。
──プレイヤー体力:毒影響により現在4。行動制限レベル:軽中度。
──プレイヤー心理状態:回想フェーズ突入。外部雑念検知中。
◆――AI副官が用意したコメント欄(ECHO-WALL)――
「スコップで戦うのマジ勇者」
「『ゲームのために空手始めた』名言すぎる」
「ドアの飾り穴、やっぱ罠じゃねーか!」
「ゾンビ毒ダメ、リアルに痛そうで震えた」
「マイピ、戦闘しながら人生語るのやめてw」
感情の話から毒ダメージ、まさかの弓矢。
今回の話は、テンションの波が極端すぎて書いてて楽しかったです。
次回は「医療アドオンによる毒解除」か「スケルトンとの再戦」がテーマになる予感。
それではまた、塔の下か、闇の中で!




