【#初回クラフト】視界1ブロック縛りで王国作ってみた件【絶望感MAX】
視界1ブロック。
それは、死と隣り合わせのゲームの難易度であり、
同時に――新世界を“創る神”の原点でもあった。
道具も拠点もない、まっさらな地表。
それを切り開いたのは、ただの一本の木の斧。
生き残るためじゃない。
俺は、この地を“我がもの”にするために、動く――。
副題:視界1ブロック、道具なし、死ぬ前にまず木をぶん殴れ!
††† 『マイピ』1日目 早朝 霧中 †††
ゲーム開始直後に霧が立ち込めているのは、今回の公式バージョンアップの目玉のヒトツだ! 大型アドオン追加で導入された「超スーパーハードKIWAMI」のモード!
そう。この「開始当初、全部霧に閉ざされている」というのは、『シヴィライゼスト』の仕様。『シヴィライゼスト』だと探索者や斥候を出して辺りの霧を払っていくことが必要だ。ソシャゲでもよくある「未達成マップが霧に閉ざされている」というアレ。そして有利地形や有利なアイテムがある土地に先に入植して土地を大きくしていく。
だからってさ!
「俯瞰構図だから、霧でもいいんだよ!
VRで霧って! めっっっちゃ圧迫感と混乱が凄い!
そうだよ、だからおれ、まだ『KIWAMI』ってほとんどプレイしてないんだ。この霧で精神やられそうで放置してたんだよ! 閉所恐怖症があるって、『KIWAMI』やって気づいたんだから!
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!」
妹に見下げ果てられた目で見られたのとか、上司に頭から怒鳴られたのとか、新人から嘲笑されたのとか、嫌な記憶がぶわっと滝のように俺に叩きつけられて息ができなくなる感じ!
冷たい汗が全身に吹き出して、はっはっはっ……と呼吸が苦しくなってくる。
【このゲームで死んだら地球のあなたも死にます。せいぜい長生きしてください]
さっきのメッセが脳内をよぎった。
死ぬ?
俺が?
ゲームの中で、死ぬ?
呼吸が……浅くなっていく……
はっはっはっはっはっはっはっはっ……
自分の呼吸音が白い闇に吸い込まれていく感じ……
はっはっはっはっはっはっはっ……ゲホゲホっ!
「深呼吸しろ、俺! 幻覚! 全部幻覚! 上司とか妹とか全部死んだから! いない! 幽霊でもない! 幻覚だ!」
深呼吸して顔をあげた。
まだ、一歩ずつ、歩いて霧を晴らしているのは続けてる。考えてる間もルーチンこなしてるエンジニア魂健在!
「霧を、随分晴らしたぞー!」
空間が広くなって気分がマシになった!
考えろ、今、何が発生している? 俺は何をするべきなんだ?
いや、「何が発生している?」は考えるな。『今、どうなってるのか?」だけ確認して、対処方法だけを考えろ。
マップは公式テンプレの「永遠の平面」を設定したはず、地平線まで永遠に平面のはず……なのに霧? 足元は泥土や岩礁。
そして、眼の前にパンダ。
パンダ!???
ふざけたチュートリアルの代わりに、木の斧で人生を始めました。
今のところ、敵は段差と霧と空腹です。仲間はゼロ。
でも、不思議とワクワクしてる自分がいる。
この感覚、初めて『クラフトゲーム』にハマったあの頃に似てる。
次回、
『霧の向こうから現れたもの――はじめての対話、はじめての脅威』
コミュ障とモンスターの会話は成立するのか!?




