表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サバイバルゲームで一括破壊したら惑星がひれ伏しました。  作者: 設楽七央


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/58

建築? そんな余裕ねぇよ

建築はしない。掘るのだ。

壁も、屋根も、守りも、地中にある。

だからこそ、この世界の王たちは『洞窟』から始まる。


ただの掘削が、生き延びる者にとっては『王宮の礎』だ。

崖を降りるその一歩が、命をつなぐ。

■副題:建てずに掘れ。迷わず降りろ。王の根を打ち込む場所、それが拠点《即位壕》。



 ゾンビを倒したあと、作業台を斧で破壊してインベントリに回収。

 『マイピ』の世界では「破壊」というのは「アイテム化」であって「廃棄」という意味ではない。

 アイテムは全部、「設置する」と「ブロック化」して動かせない。破壊して「アイテム化」するとふわふわ浮くので、五分以内に収納するか設置しないと腐る。あの山の上の材木たちもまだふわふわ浮いてる。

 一括破壊ツールのステイタスを出して、一旦オフ。これを再確認しないと、拠点が壊滅する両刃の剣。

「ここで拠点作ったのって何年前だ? 今だと、『野盗の拠点』の辺りまで移動してから拠点を作るからな……あの頃どこに拠点作ったっけな。

 ともかく、『洞窟拠点』だし、テキトーでいいな」

 こんなとき、拠点のために「家を建てる」なんて無駄を俺はしない。穴を掘ってその入口にドアを設置すれば「拠点」にできる。「家を建てる」ためには資材がいる。資材を作成して、地上に資材を積み上げる。それは俺から言わせると無駄だ。洞窟を掘れば、掘ったアイテムは資材になり、掘った穴がそのまま壁になる。『資材を積み上げる」という労力が不要だ。

 洞窟拠点のコストの良さよ! バンザイ!

 これができるから、俺が閉所嫌悪症だと気づかなかったんだよな。そう言えば、洞窟拠点もすぐに中を拡張して広い空間にしてたな。

 

 動画チャンネルを一緒に運営していたミナちゃんがいた。彼女が建築マニアだったから、俺の洞窟を凄くスタイリッシュな洞窟にしてくれてたなぁ。というか「俺、たしか洞窟に拠点作ったはずなのに、なぜ、宮殿の上にいるのか?」みたいな……山一つ、彫刻したんだよあのコ! 凄すぎる!

 俺は本当に建築興味ない(スン)。

 ミナちゃんの名前は連絡先にあったから生きてるとは思うけど、連絡は取らなかった。化物から逃げてる時に、メールの着信音で気がそれて怪我したらと思うと、気軽に送信できなかったな。俺も、階段をパルクールで降りてる時にメッセ音してたらやばかったかもしれんもん……それを考えられるぐらい、シュトラウス大佐に守られて俺は暇だったからな……ただ、「死にかけた」のだから、脳は興奮していて、まともな考えをしてない気がする。シューティングゲームみたいに人間が死んでたからな……

 

 こういうときは決断をしてはいけない。

 なぜなら「しない」系の選択をしやすいから。

 

 だが今は決断しないと進めない。

 進めないと死ぬ。

 

 だから、間違っているのを前提で決断していかないといけないんだ。

「よし、雑念は捨てろ。俺も今、また、死ぬ寸前だ」

 また、一歩ずつ、足探りしながら崖を降りていく。



----------------------------------------------

■AI副官ログ(AI LOG)

[T+3,460sec] 【AI副官デリミタ子】

──王、仮想拠点地点にて初期洞窟拠点方針を決定。

──構造選定:地上建築回避→崖面掘削方式《即位壕Ver.0》起動。

──回想プロセス挿入:ミナ=YAMAZAKIチャンネル共同運営者、建築補佐者。生存記録あり。

──精神処理ルーチン:一時迷走→論理収束完了→足探り移動再開

──発話:「間違っていても決断する。それが生き残る王の条件」


■AI副官が用意したコメント欄(ECHO-WALL)

「『建てないで掘れ』という逆転の発想、コスト意識完璧すぎて感動した」


「『決断してはいけない時』の思考、リアルサバイバル描写としてガチ」


「『シュトラウス大佐に守られて暇だった』って状況怖すぎない??」


「洞窟なのに気づかなかった閉所恐怖とか、自己演出うますぎる」


「宮殿の上にいるってどういうことだよ!って笑ったけど、ちょっと切ない回想」



建てない、掘る、それが俺の戦略。

昔はそこに『誰かの手』が入って宮殿になってたけど──

今はひとりでやるしかない。


決断とは、間違っていても『前に進むこと』。

今ここで止まったら、俺はもう、二度と立ち上がれない。


次回、

『崖面穿孔:拠点《即位壕Ver.0》の着工と初灯り』

地を割れ。火を灯せ。その空間が『国土の起点』になる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ