百花繚乱(ひゃっかりょうらん)八
「何故、庇った?」
赤髪の少女は感謝よりも先に疑問を廉にぶつける。
「あのままだったら二人とも捕まって居たろ?それを見ているものは目覚めが悪い」
「私達は貴方のチームに入れって事?」
「いや、良い。その場しのぎの嘘だ。だが、これに懲りたら、もう危ない事はするなよ」
「それは困る。一度言ったなら、チームには入れて貰う。防衛局に確実に接近出来るこのチャンス逃す程馬鹿じゃない」
「⋯⋯良いのかよ?防衛局のチームに属するって事は」
「命がけでこの国の為に戦う名誉が与えられる⋯⋯そうでしょ」
「それを分かって言ってるのか?」
「私達はお兄ちゃんにどうして会いたい」
廉は直ぐに返答出来なかった。
そんな廉を察したのかデュラークが提案する。
「取り敢えず、入れたらどうでしょうか?」
「取り敢えずってな」
「彼女達は簡単には引きませんよ。それに沖縄で一度どの様な活動をしているのか理解出来れば、考えを変えるかもしれません」
「⋯⋯分かった。そうする」
デュラークの提案を聞き入れた廉は二人の少女へと接触する。
「二人共、チーム[アブノーマル]に入れる。俺はリーダーの木山廉。そして頭の無い奴がデュラーク・クラークだ」
「私は佐々木右子、そして妹の佐々木左紀子よ。宜しく」
二人は硬い握手を交わすと廉は直ぐにデュラークに確認を取る。
「魔力は回復したのか?」
「ええ、ですが以前として僕が転移出来るのは二人までです」
「四人が無理なら、また二人ずつだな」
廉とデュラークのその会話に右子は割って入る。
「ちょっと待った!私の魔力は全て消えたけど、左紀子は違う。転移魔法なら左紀子も使えるわ」
「まじかよ。二人同時に沖縄まで行けるか?」
廉のその質問は左紀子は頷く。
「良し。なら姉妹で沖縄まで移動してくれ。俺はデュラークと一緒に移動する」
「分かったわ」
廉の提案を勢い良く受けた右子は廉とデュラークが転移魔法で姿を消すまで見守っていた。
「左紀子。私達も行くわよ。防衛局の初任務なのかしら?」
「お姉ちゃん⋯⋯何処に行けば良いの?」
「沖縄よ。沖縄!」
「沖縄の⋯⋯何処に?」
左紀子のその言葉に右子は気がつく。廉は沖縄としか言ってない事に、このままでは沖縄の何処に行けば良いのか分からない現状に右子が出した答えは
「兎に角、沖縄よ。沖縄に居ることは分かって居るんだから」
右子のその提案を左紀子は頷くと直ぐ様、転移魔法で沖縄まで移動を開始する。




