表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神が宿る世界で  作者: 斑鳩
一章チーム[アブノーマル]結成
18/29

百花繚乱(ひゃっかりょうらん)七

勝利の翼(ウイニング・ウイング)は天使属性の中でも、最高位に属する能力である。勝利の翼(ウイニング・ウイング)は能力者の死を翼の数だけ無効に、無効しただけその翼の羽を散らす特性があり、散った羽は武器として使う事が出来る。

攻撃を受けた明神が無傷だったのはこの能力のお陰である。赤髪の少女に受けただけのダメージ分羽が散ったが、翼が一枚も消費していないつまり、明神一人を殺すには至らないダメージとも言える。


「あまり、手荒な事はしたくない」


明神は散った羽を収束させた白き剣を姉妹へと向ける。姉妹は動けなかった。勝利の翼(ウイニング・ウイング)の能力がある限り、明神は十回殺しても死なない。それどころか攻撃を受ける程、羽は散り、明神の攻撃力を高める事になる。なりよりもこの姉妹は分かっていた。明神は常に糸目だが、その両目を開く時がある。元々は、盲目な少年は人体実験の魔力消失と共に能力を得た。異質なのは能力を得た人間は魔力が完全に消えるか、僅かな魔力を残すパターンが存在するが、明神はどちらとも違った。人体実験の副産物とも言えるその異常な結果は世界を激震させるまでに至った。明神は能力を得る際に消失するはずだった魔力のその全てが盲目な両目に注がれ、右手は魔眼、左目は邪眼として機能を始め、視力までも得た。

つまり、明神は勝利の翼(ウイニング・ウイング)のみしか使っておらず、両目の瞳術は一切使っていないのだ。


「待ってくれ」


廉のその言葉によって、明神は勝利の翼(ウイニング・ウイング)を解除する。


「君はどっちかな?」

「どっちって何だ?」

「そのままだよ。敵か、敵では無いか⋯⋯どっちかな?」

「どっちでもねぇよ。俺はチーム[アブノーマル]のリーダーだ。そいつらは俺のチームメンバーだ」

「⋯⋯メンバー?⋯⋯それにチーム[アブノーマル]聞かないチームだ⋯⋯良いよ。そのチームが実在しているなら、全員見逃そう。ただし、存在しないチームなら、ここに居るものは全員捕らえる。良いね?」

「ああ、構わねぇ」


明神はスマホ取り出すと、直ぐ様それを耳に当てる。


「忙しい所悪いね強絶きょうぜつ


強絶きょうぜつそれはチーム[雷帝軍]のリーダーである橘強絶たちばなきょうぜつである事をその場に居る全員が理解出来た。


「君に聞きたい事がある。チーム[アブノーマル]って実在しているのかな?」


明神のその問いにどの様な返答が返ってきたのか、その場は沈黙が続く。


「分かった。ありがとう」


その答えは明神のみが知る。明神はスマホを耳から離すと、廉へと近づく。


「君の言う通りだね。今日作られたチームで合ってる?」

「あぁ」

「そう頑張ってね」


それだけを告げると明神は約束通り、その場に居る全員を見逃し、その場を後にする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ