旅行の約束 & 人物紹介(前篇を読んでいない方向け)
魔術師ソフィアの青春を読んでくださった皆様、ブックマーク登録など、ありがとうございました。
その続編になります。平和でまったりした生活を望んでいたソフィアですが、なかなか波乱に満ちているようで?魔術師の国の存亡にまで首を突っ込んでいきます。引き続き、よろしくお願いいたします。
ランドール国立魔術学院の薬学魔術の教授室で、私と婚約者のフィロスがお茶を飲みながら、話をしている。あと半年もしたら、私も卒業だ。
「ソフィア、結婚した後、何かしたいことがあるか?」
「我儘を言っても?」
「もちろん。」
「各国を、見て回りたいわ?」
「各国を?」
「わたくし、この学院都市、サピエンツィアしか、知らないので、できれば、この国はもちろん、他の国も見てみたいの。本を読んで、どんな国かの知識はあるけれど、実際にこの目でいろいろ、見てみたい…です。」
「わかった。君の願いは何でも叶える。結婚式が終わったら、すぐ、新婚旅行に行こう。…ただ、北方の国、プケバロスは、今回、諦めてくれないか?」
「プケバロス…。まだ、戦後処理が終わっていないから?」
「それもあるが、彼の国は我が国との戦いで15万人もの兵士を失った。その家族の嘆きは大きい。国としては、ランドールに頭を下げて、恭順の意を示しているが、国民感情はそうではない。ランドール、特に、多くの兵士を殺傷した魔術師は憎まれている。そのような社会不安がある国に、君を連れていくのは正直、避けたい。」
私は、こっくりと、うなずいた。私とて、フィロスに何かあったら、嫌だ。
◆人物紹介(前編のみ、本編の登場人物は含まない)◆
・ソフィア・スナイドレー(旧姓:ダングレー)
主人公の女魔術師。ランドール国でもトップクラスの
魔力量を誇る。
治癒魔法を使え、薬学魔術と、魔術陣に精通する。
父はフォルティス人。アクシアス・プラエフクトウス。
母はランドールの侯爵令嬢、リディアナ・ダングレー。
魔術学院を卒業すると同時に、薬学魔術の教授で、
4大公爵の一人、フィロス・スナイドレーと結婚。
・フィロス・スナイドレー
ソフィアの夫。
4大公爵の一人で、元魔術学院の薬学教授。
ランドールで一番の、薬学魔術師と言われているが、
本業は、諜報活動。
・エリザベス・オークレー(旧姓:アークレー)
ソフィアの親友。愛称リズ。
ランドールの宰相、オークレー公爵の妻。
父は、王国騎士団長かつ、4大侯爵。
・ジェニファー・ケンドレー(旧姓:クリス)
ソフィアの親友。愛称ジェニ。
魔術学院の先輩、マーク・ケンドルと結婚。
戦時、国に多大な貢献をしたとして、伯爵を叙勲。
その時に、ケンドルからケンドレーに姓を変更。
夫婦そろって、魔術庁の役人。
・リチャード・モントレー
ソフィアの元求婚者。今は、親友(戦友)。
魔術学院の同級生で、主席で卒業した秀才。
現在、魔術師師団に所属。
将来の師団長の第一候補と噂されている。
・ハッカレー学院長
ランドール国立魔術学院の学院長で、公爵。
魔術庁の裏部門の統括者でもある。
セブルスの上司。
・マジェントレー公爵
魔術庁長官だった人物。
セブルスと戦って、爆死。
現在、魔術庁長官の席は、空いている。
・フィデリウスと、マーシア
スナイドレー公爵家の執事と、女中頭。
セブルスが子供の時から仕えている。
・グレイス
ソフィア専属の侍女。
魔術具の人形で、もともとは、隠された部屋でしか
動けなかったが、ソフィアが、屋敷の中なら動ける
ように改良し彼女の侍女として働く。
古代の魔術の知識が豊富。
・8家
ランドール国貴族界の頂点に君臨する、4大公爵と
4大侯爵を指す。
4大公爵は、モントレー、ドメスレー、マジェントレー、
スナイドレー。
4大侯爵が、ドットレー、エイズレー、ライドレー、
アークレー。