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その少年は、竜の少女に恋をする  作者: 滝岡尚素
第一部 世界と戦う前に
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ペンダント

 とある日の昼下がり、ガウはぼんやりといつもの椅子に座り、天窓を見上げていた。カモフラージュのために積まれている枝葉を避けて、淡い光が落ちてくる。


 ここ数日、ウードが来ない。


 無理もない、ガウは理由も聞かずに一方的にウードを突き飛ばしたのだ。

 彼が置いていったペンダントを手に取り眺める。


 ――これは、何に使うんだろ。

 竜族にはそもそも着飾るという概念がない。

 と言うのも彼らは頻繁に人化している訳ではなく、大抵の場合は竜のままで過ごしているからだ。

 故に自分を飾ることや、他人からどう見られているか気にするなどということは、初めから竜族の考えの外にある。


 加えて、ガウは殆ど人間の社会を知らない。

 それを教えてくれる人が誰もいなかった。


 ――だけど、あれはまずかった。

 せめてウードの話を聞くべきだったとガウは悔やむ。


 今度来たとき、ウードに聞こうと思うのだが、二日と()けずに通っていた彼は、あの日を境にぱったりと来なくなった。

 ウードがまめに補給してくれていたから、幸いにも食糧にはまだ余裕がある。


 だが、このままだと――そのうち。


 ――せめて、これが何か分かればいいんだけど……。

 ガウはもう一度ペンダントを見る。やはり使い方が――分からなかった。

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