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その少年は、竜の少女に恋をする  作者: 滝岡尚素
第二部 話者と剣士
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サティルナス――到着

 ウードが階段を下り、ある程度進んだところで上でハッチが閉まり、地上からの明かりが途絶えた。ただ、前もって点灯していたライトのおかげで視界は良好だ。松明(たいまつ)よりはいくらか明るいライトが、二人を照らしている


 「深いね」自分の声が大きく響いて、ウードは驚く。

 そうね、とガウは振り返らずに答える。


 壁にも足元の階段にも埃は少なく、ここが常時使用されていることを想起(そうき)させる。

 「昔来た時は、こんなに明るくなかったわ」


 松明の明かりでどうにか降りたのよ、とガウ。それにしても、ドアを自動で開閉したり、壁のライトにしても、どうやって動かしているのだろう。魔法力でないことはウードにもわかる。魔法が働く時に現れる、場の歪みのようなものを感じなかった。つまりこれらは、科学的な力によるものだと思われた。


 ――高い技術力を持つもの。

 それがドワーフなのだと言うことを、ウードは改めて実感した。










 「つ、着いたー」

 どのくらい下ったのだろう。同じ風景にいい加減()いそうになった頃、二人の前に扉が現れた。

 小さな白い門だった。幅は一人が通るには十分だが、二人となると狭い。


 「これも自動?」ウードがガウに質問する

 ――いや、どうだったかなぁ。

 そもそも、こんなものあったっけ? 取り敢えずガウは門の真ん中に手を伸ばす。観音開きのように、押せば開くように見えたからだ。

 ぴたり、とガウは門の表面に触れる。

 金属だった。材質は不明だがひんやりとした感触が(てのひら)に伝わる。

 ぴぴぴっ。

 「わっ」

 慌てて手を引っ込めるガウ。




 『ようこそ、サティルナスの街へ』





 謎の声。ウードは驚いたように自分の耳に触れる。彼の瞳がいっしゅん緑に輝き、またすぐ元の色に戻る。



 ――門が、喋った? いや、それよりも、今……?

 その驚きも冷めやらぬうち、音を立てながら(ゲート)が内側にゆっくりと開いていった。

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