四日目
次の日。
夕方頃になってウードがリュックに荷物をまとめ始めると、ガウが背後に立った。
「もう帰るのか」
そうだね、振り返ってウードは答える。
明日、父親が帰ってくる時間が分からないためウードは今日中には街の家に帰っている必要があった。
――ほんとは帰りたくないけど……。
まとめ終わったリュックを背負い、立ち上がるウード。
「あ……」
見上げるガウ。
「いったん帰るよ。お父さん、帰って来るから」
「わ、分かった」
と言いながら、つい、とウードの上着の裾を掴むガウ。
「……ガウ?」
「い、いや、これは」
慌てて手を離す。
――少し、意識してくれてるのかな。
だといいな。ウードは玄関に向かう。
「じゃ、じゃあね」
玄関先でガウとウードは見つめ合う。
「う、うむ。どうせまたすぐ来るんじゃろ?」
ウードは頷く。もう泊まることは出来ないけどね、と心の中で呟く。
踵を返すウード。
ぴし、とウードの上着が引っ張られる。
ガウがまた裾をつまんでいた。
「う。す、すまん」
「いいよいいよ」
そのままの体勢で二人、見つめ合って。
「またすぐ来るのじゃぞ」
ガウの目を見つめたままウードは頷く。
それでも名残惜しそうなガウの手。ウードはそこに自分の手を重ねる。
「分かった。待ってて」
ゆっくりとガウの手が裾から離れる。
――ありがとね、ガウ。
ウードは手を振り、家を後にした。




