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カッコつけたいからキメさせてくれ!  作者: 茉莉花じゃすみん
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主人公だからカッコつけたいのにキメさせてくれない

人生でほぼ初めギャグ小説書き始めました

カッコ悪い倒し方が満載なので、ぜひ軽い気持ちで読んでください!

俺の名前は椰子木(ヤシノキ) イクサ!

二十歳の元軍人、身長は百七十センチ、体重は五十五キロ!

軍人の頃に培った体術を活かして、今日も悪い敵をやっつける!


……ハズなのだが。


なぜか毎回カッコよくキメることが出来ない。


生まれてこの方、一度も誰かを惚れさせることが出来なかった。

顔は整っているので近づいてくる女の子は多かったが、

そういう時に限って鼻毛が出ていたり、チャックが開いていたり。

ラブレターらしきものを同級生から受け取ろうとしたら、

手にガッツリ米粒が付いていたこともあった。

得意な体育の授業ではドッチボール中、投げたボールが跳ね返って顔に当たる。

授業中カッコよく挙手して答えたら、間違ってるわ脇汗かいてるわ。

ある種、呪われているようにしか思えないくらい、カッコよく決められない。


モテたいと思って思わずカッコつけると大概やらかしてしまうが、

意外と今の仕事は何とかやれている、と思う。


そう!

俺の仕事とは!

悪いアンドロイドをやっつける!

かっこいい仕事なのである!!


「あの、どうしましたか?」

「アッ、ちょっと考え事してて」


危ない危ない、自分が主人公になったと知って大喜びしてしまった。

俺の目の前には、心配そうな顔をしているアンドロイドの姿。

どうやら、俺と同じ短剣使いらしく、右手がナイフに改造されている。

毎回思うけど、改造アンドロイドってダサいんよね。

右手なくなったらご飯とかお風呂とかどうするんやろ、まじかわいそう。

寝起きとか間違って身体掻いたら大怪我よ?


あと意外と優しい性格してるやつもいるので、仕事がやりにくい時もある。

それでも、彼らがボディガードとして付いているのは裏稼業をしているヤの付く人や、

テロを考えている過激派がほとんどであるので、しょうがないが倒すしかないのである。


「よぉし、覚悟しろよ機械野郎!」


カッコつけて突っ込むと、さっそく足元に石が転がっていてスッ転ぶ。

そのまま手からすっぽ抜けたナイフが真っ直ぐ飛んでいく……。


「アッ危なッ」

「ぐはぁ」


ガッツリとアンドロイドの胸に突き刺さるナイフ。

えっと、ナイフには電流が流れていて、アンドロイドには効果が絶大なのです。


慌てて仰向けに倒れた敵の元へ走ると、まだ目が開いていた。


「大丈夫ですか……」

「あっ、本を胸ポケットに入れていたので助かりました」


ナイフを返してくれた敵は、胸元から愛読書『部下に厳しくなる方法100』が出てきた。

うん、きっと、お仕事大変なんだねぇ。

でも敵だから、ゴメンナサイ。


防ぐものが何もなくなった胸へとナイフを突き刺す。


「ブラック企業で二階級特進……です……ね」


ガクリと力を失う機械人形。

「それって結局平社員抜けられなさそうだね……」

俺は彼の遺言に優しく返してあげると、お仕事完了のメールを送信した。

次回はイクサくんが所属する組織のお話です。

ヒロインも出てくるぞ!

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