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23.大鎌の作成とレジンオパール。

 遅ればせながら、誤字の報告ありがとうございます。感謝感謝でございます。

 さて、鎌は鎌でも彼女が持ち込んだのは大鎌だ。


 死神が命を刈り取る、な感じでその武器の由来となった農具。中二病心をくすぐる、草刈りと作物を刈り取るのに最適な形状をした農具だ。


 刃物とは言え、おおよそ戦闘には向かない農具である。無理に使うのだとしたら、その形状から盾の裏に隠れる敵に対して有効かもしれない……。


 とにかく、長い柄の先端に、手前側に向くように湾曲した刃が付き、柄の途中に垂直に伸びる取っ手が付いている構造だ。その取っ手を逆手に掴んで主に腰を使った全身で周囲に生えた草を一気に刈りこむ構造になっている。


 いきなりだが、日本と西洋の物を切る方法は似ている中にも使い方が正反対な部分がある。それは『押し引き』と言う点だ。日本は引いて物を切るのに対し、西洋は押して切る傾向が強い。


 有名なのがノコギリだ。


 日本のノコギリは刃の向きから、引く時に力を入れて木材を切る。対して西洋のノコギリは押す時に切れるように出来ているのだ。


 刃物も同様の傾向が強い。日本の場合は刺身包丁もそうだが引いて切る傾向が強いのに対し、この大鎌は押して地面に生える草を切り倒していくのだ。


 湾曲した刃の先端が立ち茂る草の中を分け入って、持ち手から内側に入った草を今度は内向きについた刃で押されるように切断されて行く……。つまり、確実に刃の鋭さと丈夫さが問われるのだ。


 腕が鳴る!


 もってこられた農具の金属はどれもこれも糞金属だ。硬度が足りず、刃が立たないので切れ味はすぐに落ちる。その都度砥石を使って研がなければならない。靭性も足りないので欠けやすく、商人としては一石二鳥に儲けの口実が出来ると言う話だ。まったく、俺としてはその商人を張り倒したくなる話だ。


「おお! この鍬ザックザックだぞ! みれみれ! うほ~!」


「おお! いいなぁ! オラにも貸してけろ!」


「「「オラもオラも!」」」


 メレアインは鍬の件で盛り上がる農夫達をよそに茶を淹れホッと一息している。俺は製錬がまだあるので一息つく間もない。最初に製錬しておいてある程度冷めた鋼(だがまだ真っ赤に熱々の鋼)に水打ちをして槌で叩く。


 バンッ! 小さな水蒸気爆発が鋼表面に浮き出た不純物を吹き飛ばす。


「「「おおっ!」」」


 水車からの動力を取って動かす大槌を駆使して、これを繰り返す。


 バンバンッ!


「「「おおっ!」」」


 盛り上がる農夫達。


 叩いて折って叩いて折って。幾重にも層を築いて強靭となる鋼。その工程で木炭の炭素を吸収し、硬度を増してゆく鋼。刃金用と皮金用の二種類の鋼を作ると、俺は鎌の形状に素延べして火造りに入る。武器からの応用はあるが、散々作っているので手慣れている。


 メレアインも柄の作成に取り掛かる。鎌の刃が地面を這うようにする為、大鎌の独自に進化したその柄は特殊な湾曲した柄となっている。そして彼女のレジン(樹脂)の魔法は中々便利なもので、プラスティックを彷彿とさせるような成形を行う。それを使って柄を持ちやすくする取っ手を成形していった。


 何とも綺麗な色に仕上げる物で、女性受けが大変よろしい様だ。


「見て見てあれ! 綺麗だな~! あんなのアタイ初めて見ただよ!」


「いいなぁ~! アクセとしてほしいだな~……」


 するとメレアインは余裕を見せて幾つかレジンで小さな球体を作り、また指先の魔法で色鮮やかな、まるでオパールの様な虹色へと変化させ、彼女達に微笑んでそれを手渡した。


「きゃ~! 見てけろ見てけろ!」


「うひゃ~! 綺麗だなぁ~!」


「あ~……こりゃ~ブッたまげたでの……」


 男どもも感心している様子で、俺はむしろその為の犯罪が起きるんじゃないかと心配した。今後、それを十分考慮しておこうではないか。俺はまだここへ来て日が浅いが、永住を決意している。この村で問題起こす奴が現れて見ろ?


 ──ぶっ飛ばしてやるからな!

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