33話
痛い。我慢しなきゃ。熱い。我慢しなきゃ。
だって悪いのは俺なんだから。父さんは何も悪くないんだから。
痛い。我慢しなきゃ、熱い、熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!!!!
どうして俺ばっかりこんな目に合わなきゃいけないんだよ。
俺は何もしてないのに。俺は何も!!!
ーー行為が終わって、火傷だらけになった身体を見て身体が勝手に口角を上げた。
これは罰なのだ。魔女が火に焼かれ死んだように、俺も焼かれなければいけないのだ。
だって生きていること自体が罪なのだから。
声の出ない喉でゲラゲラと笑う。
どうして愛してもらえないんだろう。
でも大丈夫。俺には王子がいるから。
王子がいれば、王子がいればきっと助けてもらえるから。
きっと。
「……実を言うともう舞台に上がる事すらきついんじゃないの」
大の字になって天井を見上げる俺に王子は声をかけた。倒れたのは今月で三回目だ。
「………」
「これ、自分で原因わかってる?わかんなきゃ当分は治らないよ」
「?」
「父親に対する罪悪感、捨てられる事の恐怖、ちゃんと折り合いつけないと」
『簡単に言わないでよ』
スマホのメモ帳にそう打ち込むと、彼はしゃがんで俺を見下ろしながら言った。
「簡単だよ。期待する事やめれば良い」
「……」
「どんなに頑張っても愛してなんかくれないよ。あきらめなよ」
「……」
「血が繋がってっても合う合わないはある」
「!」
そんなことはない、そう主張しようといても声は出ない。
きっと、きっと救われるはずなのだ。王子がいれば俺は、俺たちはきっと救われる。
それがたとえ幻想であったとしても、俺はそれを信じるしかいられない。
「ーーっ!〜〜〜!」
どうして、救ってくれる側の王子がそんなことを言うの。
「聞こえないよ」
助けてよ。やっと見つけた王子様なんだから。やっと見つけた救いなんだから、
少しくらい甘やかしてくれても良いじゃないか。
「ずっと一緒にいたらこのままじゃ取り返しがつかない事になるのもわかってんでしょ。だったら自分から離れるしかないじゃん」
涙がボロボロと溢れてくる。
縋っていた希望は泡になって消えて、残ったのは冷たい言葉一つだけだった。
「泣いても君の期待する明日は来ないよ」




