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籠の中の聖女  作者: 山平学美
14歳の手記
7/7

4月2日 6

だいぶ遅れての投稿すみません。

これとは別の連載作もありますので、良ければそちらの方も。

次に目を覚ました時には、私はベッドに寝かされていました。

白く清潔感のある部屋に最低限の家具が置かれていて、どこかの部屋であることはわかりました。起き上がって、ベッドの横にある椅子にセレスティアーナ様が座られているのに気がつき、びっくりしてしまい、変な声が出て恥ずかしかったです。


「目が覚めましたのね、儀式は無事終わり、貴女様は正式に『聖女』となりました。

近日、貴女様のお披露目が行われます。」


私は、ベッドに座りかけ、セレスティアーナ様の話を聞きました。


内容を纏めると、

今は夕方で、儀式後は皆様気を失われるらしく、気にしなくても良いとのこと。

私が寝ていたこの部屋は、これから私が生活する私室であること。

この部屋にはお手洗いとお風呂があり、この後、侍女さん(ベテランのシスターさんが聖女の侍女として採用されるらしい)が来る際に着替えと夕食を準備してもらえること。

明日、家族の別れの挨拶と荷物を取りに実家に帰れるということ。


そして、少し悲しそうな顔をして最後に言ったことは、

正式に『聖女』になったため、苗字はなくなり教会所属となり、いままでの家族とは表向きには縁を切ることになるとのこと。


『聖女』様のことは学校でも習っていましたから、最後のことも知ってはいました。

でも、やっぱり、自分がその立場になって初めて、どうしようもなく寂しく思ってしまいます。


セレスティアーナ様が、俯いてしまった私を慰めるように優しく抱きしめてくれました。

すごく、ほっとして、それで、これから自分にできるのか不安になって、涙が止まらなくなってしまいました。

それでもセレスティアーナ様はずっと抱き締めてくれていました。本当に優しい人。


少しして、涙が止まってきた頃に、私の担当となる侍女さんが来られて、セレスティアーナ様はお帰りになりました。また会ったら、もう一回お礼を言わなきゃ。


侍女さんは机に夕飯を置くと、湯船の準備をすると言って浴室に入って行きました。


その間に夕飯をいただき、お風呂に入りました。

夕食は、ふわふわのパンに魚介たっぷりのクラムチャウダーに野菜のマリネ、そしてデザートにプティングまで付いていてとても豪華で美味しいメニューで、満足です!

私の様な市民にとって入浴は、たまに民衆浴場に行くか、普段はお湯で濡れた布で体を拭くくらいで済ませ、個人用の湯船は初めてで、しかも浴室の横に侍女さんが待機していて全く落ち着きませんでした。

着替えは白のロングワンピースで、綺麗な寝間着

にちょっとはしゃいでしまいました。

そんな私を見て微笑見ながら、立派な作りな一冊の本と何本かのペン、インクを渡されました。

侍女さんが言うには、これは教皇様からの贈り物で、本の中身はは白紙のため、日記や詩を書くなどに使うと良いとのこと。多くの『聖女』様が日記をつけられていて、気になったことを書いていくと見直せて良いという声が多かったため、『聖女』様の最初の贈り物が本とペンとインクにまったという話を教えてもらいました。


なんだかんだしているうちに暗くなり、また明日来ると言って侍女さんは戻られました。

何かあれば、部屋の前に必ず騎士さんが巡回し警備しているから、遠慮せずに言って良いとも言われとりあえず、今日のことを書いて寝ようと思って、書き続けました。


結構長くなったし、だいぶ時間が経ったので今日はもう寝よう。

明日、お父さんやお母さんたちに会ってお別れを言わなきゃいけない。嫌だな。寂しいな。




でもとにかく、考えても仕方ないから、これでおしまいにしていい加減寝よう、お休みなさい。




これで4月2日は終わり、長いですね。

まぁ、彼女にとって人生最大のイベントでしたからね。

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