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籠の中の聖女  作者: 山平学美
14歳の手記
4/7

4月2日 3

決して大きな声ではありませんでした。

それなのに、そのお声は、騒いでいた少女たちの耳にはっきりと聞こえたのでしょう。直ぐに静かになりました。

「マリアンヌ・リバーさん。あなたもまた、神に選ばれた者、私たちと同じ『聖女』です。

共に、この世界の為に協力し平穏をもたらしましょう。

ここに、新たな『聖女』の誕生を宣言します」


宣言の後、私は『聖女』様と後ろに仕えていた神官さんに連れられました。

教会の前には豪奢な馬車があり、その周りをパレードなどでしか見たことのない騎馬隊の騎士が数名囲っていました。

神官さんに促され、馬車に乗るように言われましたが、まだ状況の掴めない私は、不安で仕方がありませんでした。

そんな私に『聖女』様が、神官さんに、

「せめて彼女に、身の安全を守るために馬車に早急に乗るように、あるいは、詳しい説明は馬車の中で致しますといった言葉を投げかけてあげて下さいな」

と苦笑しながら、私の手を取り、共に馬車の中に入られました。神官さんは申し訳なさそうな顔をしながら、私たちの後に続きました。


馬車内では、色々な説明をされました。

まず、馬車に早々に乗らせたのは、以前、選ばれなかった少女による傷害事件が起こった為の対策のため。

そして、この馬車は、王宮の横にある神殿に向かっていること。

その神殿にて、『聖女』の登録の儀を行うとのこと。

そして、その日は、神殿に泊まり、翌日に一旦家に帰らされ、必要な物や家族の説明が行なわられるとのこと。これは、馬車での傷害事件と同じく、以前に神託の儀の後、家に帰したことで、やはり選ばれなかった少女による嫉妬からの襲撃が起きてしまったための考慮だとのこと。

私は『聖女』様の丁寧な説明を一生懸命聞いていました。

ある程度、説明が終わると、『聖女』様が場を和ませるかのように、

「私の名前は、セレスティアーナ。こちらが私の専属神官に当たるヨハンです。ヨハンは元々、私の実家の執事だったの、でも、私が聖女に選ばれて色々あって、今は専属神官になったの。

彼、無口で無愛想で説明不足だから、さっき怖かったでしょう?ごめんなさいね」

と、先ほどの謝罪をされました。

私は、びっくりして、『聖女』様に謝らないでほしいことと、神官さんに気にしていないことを告げました。

『聖女』様はホッとしたような表情でした。神官さんは全く無反応でしたが。


そんな感じに過ごしていたら、あっという間に神殿に着いていました。




何かあれば感想のほどよろしくおねがいします。

この4月2日は、マリアンヌにとって、心に残ることの多い日なので、手記も長くなるかと。

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