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籠の中の聖女  作者: 山平学美
14歳の手記
3/7

4月2日 2

今日の朝、私は、『聖女』であるかの神託の儀を受けに教会に行きました。

神託の儀は本来、13歳で受けるものでしたが、私は去年、事故で怪我をして受けられなかったんです。

なので、特別に今日、受けるようにと教会の方から連絡が届いて、受けることになりました。

教会内には、数十人程度の女の子がいて、一人一人順番に、教会の聖女像の御前に立たれている『聖女』様の側に行っていました。

私はその時は一番最後みたいで、この中から誰かが『聖女』になるのかな?、なんて思っていました。

一人、一人と、呼ばれ、『聖女』様の持つ綺麗な石?に手をかざしていました。

ただ、誰も何も起きなくて、そう簡単には現れないよねって、ちょっと落胆してしまいました。

で、最後、私の番が回ってきたんです。

凄く緊張しました。

目の前で神託を行う『聖女』様は真っ白なドレスに、真っ白なベールを身に纏った方でした。

ベールに隠れてよくお顔は見られなかったのですが、多分、銀髪?かな…、それで、淡い水色の瞳の綺麗な方でした。

その『聖女』様が私に綺麗な石を差し出してきました。淡い緑色の石。

私は、緊張して震えながらも、手をかざしました。

そうしたら、石が、変わったんです。

確かに直前まで石でした。なのに、私がかざした瞬間にそれは、虹色に変わり、形を変え、ネックレスになったのです。

チェーンの部分は美しい銀色、そしてアクセントとして虹色に輝く丸い形の石がついた、ネックレスに。

静かだった教会内は、少女たちの声で一気に騒々しくなりました。

その時の私は、ただただ、目の前の光景を理解できずに唖然としていました。

一向に静かになることのない教会内、そんな中、まるでカナリアのような可憐な声が聞こえました。

「皆さま、お静かに」

『聖女』様のお声でした。

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