テストの後にまたテスト ~イカれた親友を添えて~
「おーい猪狩、テスト渡すから早く前に出ろ。」
「すみません、もらわないってのはダメっすか?」
「ダメに決まってるだろ!早く来い!」
「やだな…。」
渋々、僕はゾンビの様な足取りで教壇に向かった。
「なあ、別に百点を取れって言ってるわけじゃあないんだ。」
「はい。」
「だからせめて赤点を取らないようにしろよ。」
僕にテストを渡した先生が呆れるように言った。
「ほら、席に早く戻れ。」
いや、先生が話を始めたんじゃないか。そんな思いを胸にしまって僕は席に戻った。
「はぁ、理系が全滅ってどうしてだよぉ。」
そんなことを放課後につぶやいていたら、声をかけられた。
「よぉ友弘、点数はどうだった?」
「お前、わかっていってるだろ。いつもどーりだよ。察せ。」
「そうかそうか。しってたよ。先生の声、一番後ろの俺の席まで聞こえてたよ。
まあお・れ・は全部九十点以上だったけどな。」
この自慢話をしている嫌味な男は、竜崎歩。一応高校で唯一の親友だ。
「お前なんでそんなにいい点とれるんだよ。」
「まあ授業を聞いてれば何となく大体わかるだろ。」
はい、この発言を聞いて分かる通りこいつは天才だ。
勉強ができる、スポーツもクッソ上手い。おまけに顔もいいから女子にも男子にも好かれている。
では何故理系全般赤点王の僕と親友なのか。おそらく不思議に思っている人もいるのではないか。
いや、というか全員気になってるか。
それは小学生のの時に遡る。
竜崎は、小二の時に引っ越してきた。だからなかなか学校になじめなかった。
そこに思い付きだけで行動していた当時の僕が友達になりたくて一緒に遊んだ。
まあその代わり、よそ者と仲良くしていたからと卒業までいじめられたけど。
そんなわけか、少し感謝しているらしい。
そういうわけで今もずっと親友として今の高一までつきあってきた。
なんてことを考えていたら、竜崎が話を変えた。
「そういえば俺たち十六歳になったから、ハンター試験受けれんじゃん。受けにいかね?」
「そういえばそうだったな…いいよ。受けにいこ。」
「よっしゃ!じゃあこれ、来週までに覚えてきて。」
そう言うとカバンから一冊の本を出した。
「へっ?何これ?【強化獣狩猟免許対策本】?えっどういう事?」
「来週の日曜日に受けに行くぞ!異論は認めん!大丈夫!俺はもう全部覚えた!一週間俺が付きっ切りで
教えてやる!」
「はっ?来週ぅ!?お前あせりすぎだろ!落ち着けって。」
「いいや俺は決めた!なに、難しくはない。安心しろ!」
「いやそれはお前から見てだろっ!まてっ焦るなっ話せば分かr」
こうして僕はテストが終わった後にまた試験勉強をする羽目になった。
ちなみに文系のテストはほとんど良かったです。(遠い目)
次回!ハンターとは!強化獣とは!
内容が説明回っぽいものになりそうですが出来れば飛ばさず見てくれると幸いです。