怨古血震
午前10時に私達は横須賀駅に到着した後タクシーで三笠公園まで行った、海岸を見ると…
大和型四番艦…戦艦両儀の回りをアメリカ海軍艦艇や海上自衛隊の艦艇が囲んでいた。
空は沢山の報道メディアや航空自衛隊の航空機で埋まっていた。
と、この大惨事を見ていたら、戦艦両儀が動き出した。
ゆっくりと前進をし始めた。
回りの艦艇が何やら呼びかけているが手は出さない。
三笠公園から見ている私達からすると、右から左の大和型四番艦は動いている様に見える。
「流石に大和型は大きいな」
私がそう言ったとたん大和型四番艦戦艦両儀が取り舵を決行した。
ちょうどこちらに艦首を向けたまま前進を続けている。
回りを取り囲んでいる艦艇はこの戦艦を停めようとしている。
距離が近くなった事もあり艦艇の警告が聞こえた。
「これ以上前進を続けた場合は…」
風の音が五月蝿くてよく聞こえない。
と、いきなり取り囲んでいた全艦艇が戦艦に攻撃を始めた。
しかし戦艦は抵抗はせず弾を受けながらも前進をしている。
攻撃は止まず、戦艦との距離はもう1200m程までに近づいた。
するといきなり戦艦が主砲を左右に向けて…
「これは不味いことになるぞ…」
快斗がそう口にする
主砲を左右に向けて…
確かにただの大和型ではないのだからいくら攻撃をしても無駄なのではないだろうか。
主砲を左右に向けて…
そのまま
砲撃をした。
東京湾に響く轟音。
それは回りの艦艇が攻撃する時の音とは比べ物にならない程…正に雷の様だ。
当然そんな爆音はとてつもない衝撃波を生んだ。
蒼い衝撃波の閃光が走る。
それは回りを取り囲んでいる艦艇の窓ガラスを砕いた。
しかし戦艦が撃ったのは装薬だけだった。
これに砲弾が入っていたらと思うと身震いをした。
しばらくすると回りの艦艇は衝撃波による被害のため散らばってそれぞれの基地に帰っていった。
気が付けば、戦艦との距離は…
ゼロだった、目の前に浮かんでいる。
しばらく呆然としていると、戦艦両儀の後部からいきなり階段が出て来た。
私達は直感で艦に入った。
次話に続く。




