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戦艦両儀

その日の夜快斗と一緒に私が住んでいるアパートに来た、私の部屋は9畳程のワンルームである。

私はベッドに体を倒した。

快斗は床に座ってベッドに背中をもたれている。

「カイトー…」

「ん?何だい夢」

「やっぱりありえないよ」

「何がさ?」

「75年も前に出来た戦艦があんなに高性能だなんて…今の艦艇にも勝るなんておかしいと思わないか?」

「そうだね、確かに事実上大和型なのに射程距離が100kmで連射可能、対空機関銃が毎分1000発で自動追尾か…」

「だろ?この日本が作ったなんて思えないな…」

「疲れたから僕、シャワー浴びたいんだけど借りていいかな?」

「好きにして」

「わかった、ありがとう」

快斗が浴室に入ってから思ったけど…

アイツ着替え持ってきていないじゃないか!

そこで私は面倒くさそうにベッドから起きるとタンスの中から浅葱色の着物を取り出すとユニットバスの扉を少し開け、着物を置いておいた。


今日わかったのはあの戦艦が大和型四番艦として建艦されていたが廃艦まじかに祖父達が自費で建艦を進め、なんでも…とある町工場に頼んで外見は大和型であるが中は軍艦とは思えない豪華な仕様になっているという。

そのため重量が減りその分装甲が厚く出来、機関も町工場の力で余裕に35knotはでるらしい。

艦名は定かではないが「戦艦両儀」と書いてある。

確かに『戦艦』なのに駆逐艦並に速かったり…

資料を見ると戦艦と対極している駆逐艦と同じ性能の事がいくつもあった。

それは両儀と読んでもおかしくはないと思う。


っと…

ここまで今日分かったことを振り返っていたら快斗が風呂から出てきた。

「ありがとう、そう言えば僕着替え持ってきてなかったよ」

ホントそういうトコ馬鹿みたい

「僕夕食作っておくから夢、君も風呂に入ってきなよ」

「あぁ…そうするか」

そう言って私はシャワーを浴びてから体を洗った。

「冷蔵庫は…あんまり入ってないな、夢が出てくる前に簡単なのを作らないと…」

結局、豆腐の味噌汁と鯖の味噌煮、3合のご飯を炊く。

そうこうしている内に夢が髪をときながら出てきた。

なんかショートカットな上に少し口調が男っぽいのが…いや、これ以上は言ってはいけない。

「さっぱり出来た?夕食出来たから先に食べよう」

「そうするか…」

一緒にご飯を食べた後皿洗い等の片付けをして、戻ると…

「あれ?夢寝ちゃった?」

真冬に布団1枚も着ないで寝るってどう言う状況だよ!

夢に布団を被せてベッドの傍に座る。

何気なく夢を見てみると…

あっ…ダメだ寝顔可愛い。

「やっぱり夢も女の子なんだなぁ」

なんか眠くなって来た…

でも…ここじゃ寒いし…

と思ってはいたけど睡魔には勝つことは出来ず、ここで意識が消えた。


7話に続く。

最後の方は仲睦まじい夫婦みたいになってしまった…^^;

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