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パッパとマンマとおじさん

 しゃべってる相手がおじさんだから言うんですけど、私って結構美少女だと思うんです。あ、おじさんだからっていうのは、コミュ障で友達いないからこういうこと他人に言いふらしたりしないだろうなって安心してるってことです。別に好きだから話してるとかじゃないですよ。道端のお地蔵様に話しかけてるみたいな感じです。お地蔵様にならこういうナルっぽいこと喋っても大丈夫ですよね。


 だいたい、パッパはイケメンだし、ムカつくけどマンマも美人だから、娘の私が美少女なのは当たり前なんです。マンマの高校の頃の写真見たらすごいですよ。なんかアニメの世界から出てたみたいで。目おっきいし体細いしうつむきがちでおとなしいお嬢様って感じ。たぶんパッパはああいう女の子が好きなんですよね。そういう意味では私よりマンマのほうがいいってのもわからなくはないです。


 でもおかしいじゃないですか。マンマはもう四十代ですよ。おばさんです。昔は美少女だったし今でも結構美人だけど目尻にしわが寄ってるしシミとか出てるし。昔のマンマと比べられたら私も簡単には勝てないなって思うけど今のマンマとだったら余裕です。それなのにパッパは私のことを女として見てくれません。絶対に変です。


 私のアピール不足だって言われるかもしれません。おじさんってすぐそういうこと言いますよね。年をとると考え方が凝り固まって人間的な面白みがどんどん減っていくんです。でも私は全然サボってないですよ。三人で買い物に行くときはマンマより先にパッパの手を握って一緒に歩きます。そうしたらパッパは嬉しそうです。でもパッパはそれ以上何もしてくれないから私は抱きついたりします。抱きつくとパッパはすごくいい匂いがするんですよ。健康でカッコいい男の人の匂いがして私は大好きです。いつまでも胸に顔を埋めてくんくんしていたいくらいです。加齢臭まみれのおじさんとは全然違うんです。


 抱きついたまま私はおっぱいをパッパの体に押し付けます。でも私おっぱいが小さいんですよね。マンマも小さいです。そんなところも似ちゃったのなんか嫌ですよね。せめて私だけ爆乳だったら余裕勝ちなのに。あ、でも小さいと言っても全然無いわけじゃないからきっとパッパもおっぱいが当たってること気づいてるはずです。このあいだ、枕に抱きついたまま体と枕の間に手を入れてみました。そしたらちゃんとおっぱいが当たってるのが分かるんです。だからパッパも私のおっぱいを感じてくれてるはずです。おじさん? ぼーっとしてないでちゃんと聞いてくださいよ。


 それで、私は抱きついたまま上目遣いでパッパの顔を覗き込みます。ちょっとゆるめのTシャツを着て胸元が見えやすくしてあります。ブラもフリルつきの目立つやつです。おっぱいが当たってるの気づいてたら絶対に見ちゃいますよ。自分ではだけて見せちゃいたいくらいですけど買い物中にそんなことしちゃだめですよね。それにそんなあからさまなことはしたくありません。私はパッパ好みのおとなしくて慎ましい美少女でなければなりません。無邪気にはだけた胸元にパッパが気づいてさりげに恥ずかしそうに目をそらしてくれたら完璧なんです。そしたら私は言うんです。「パッパは見てもいいよ」って。「パッパに見てほしかったの」って言ってもいい。ううん。そんなこと言っちゃっていいのかな。いいよね。言ってみたいなあ。あ、おじさん、何か言いたくてもおじさんは何も言っちゃダメです。お地蔵様は喋りませんよ。


 それなのに現実は非情です。ひどいです。パッパは私の胸元になんかちっとも気づいてくれません。「歩きながら抱きついたら危ないよ」って言って頭をなでてくれます。そうじゃなくて! いや別になでてくれててもいいんですよ。優しいパッパは大好きです。もっといっぱいなでてほしいです。でもおっぱい! おっぱいを見てくれなきゃ意味が無いんです。


 そのうちにマンマも追いついてきます。マンマが出した右手を、パッパは空いた左手でぎゅっと握ります。私が抱きついてるのもおかまいなしにマンマはパッパに微笑みます。二人の指がくねくねと絡みつきます。エロいです。パッパは嬉しそうに、私の頭をぐしゃぐしゃに撫でます。パッパのエロい指で私のさらさらの髪がどんどんぐしゃぐしゃになっていきます。嬉しいです。パッパの胸に鼻先を当てると、男の人の匂いがさっきよりも強くなっています。もうダメです。匂いで興奮して大好きで頭の中が爆発しそうになっています。でも興奮しながら私はどうやってもマンマに勝てないんだなって気づいちゃいます。そしたら嬉しいのに涙がどんどん溢れて顔が熱くなります。パッパのシャツに涙の染みができます。ちょっとだけ勝利です。どうせならもっと泣いてシャツをぐしゃぐしゃに濡らしたいですけど私の涙腺はそんなにたくさん涙を出せません。だからちょっとだけしか勝てません。いいです。いまはだめでもいつか勝ちますから。あ、おじさんなんで泣いてるんですか。そんなところで共感してくれなくていいです。きもいです。

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