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生徒会長と副会長

 授業が終わり皆帰りの身支度をしていた。普通だったら俺もそうするだろう。だが、俺には寄る所が出来てしまった。エリカは鞄を持ってこちらに近づいて来た。

 

 「本当に生徒会室なんて行くの?何の為に?」

 「朝に言っただろ?青木って言う人に会いたいんだ」

 

 何を言っているのかいまいち分かっていなそうだったが、俺の真剣な表情を見たのかそれ以上に聞かなかった。

 それから2階に降り、3年の廊下まで来た。2年生がどうしてこんな所にと言った表情でちらちらと見てきたが、俺は堂々としていた。反対にエリカは、先ほどから顔を下に向けて赤くしていた。


 「どうしたんだ?調子でも悪いのか?」

 「良太君は、上級生の教室の傍を通っても緊張とかしないの?」

 「そんな事気にしてもしょうがないだろ。俺が気にするのは、俺よりも才能がある人間で目標とする事が出来る人間だけだ!」

 「そんな断言しなくても。それと良太君ってナルシストだよね」

 「そうか?普通だと思うが」

 「はあ……まあ、良太君だからしょうがないか。着いたよ」

 「どういう意味だよ。おい、俺の話を聞け!」


 エリカが生徒会室の扉を2回ノックして中からの返事を待った。中から「どうぞ」と言われ、エリカが扉を開けて入った。

 生徒会室の中は長方形のテーブルが真ん中に置いてあり、その両端に椅子が3個ずつ置かれていた。後は端っこに資料棚が置かれているだけで、思っていたよりも殺風景だった。その部屋に一人の女の子が椅子に座りながら寝ていた。

 

 (無用心だな……てかさっき誰が言ってくれたんだ?)


 その答えがすぐに判明した。俺が入った途端に上から竹刀を持った女の子が舞い降りてきた。そして、そのまま俺の頭目掛けて竹刀を振り下ろしてきた。だが、俺もそうやすやすとくらわなかった。生まれつきある天性の才能の中に動体視力も常人よりも良く、とっさの判断だけで見切って避ける事が出来た。

 女の子は長身で、可愛いよりも美人って言った方が似合いそうなほど顔が整っていた。こんな出会いをしていなければ、もしかしていたら惚れていたかもしれない。だが、こんな事されて黙っている俺ではない。二回目の攻撃が来た。今度は横から思いきり俺の胴を与えて悶絶している間に一気に仕留めてこようとしてきた。だが、それを見切っていおり、その竹刀を右手で受け止めた。


 「離せ!」

 「もう竹刀を振り回すの止めたら離してやる!」

 「くっ……ならこれでどうだ!」

 「何をしても無……え?」


 俺は何が起きたのかが分からなかった。気付いた時にはもう地べたに這いつくばっていた。女の子は、俺の首筋に竹刀を向けてきた。


 「変態が!すみれの睡眠時間は誰にも邪魔はさせない!」

 「ちょ、ちょっと待て!は、話を聞け!」

 「うるさい!もう一度投げられたいか!」

 「あ、あの~」

 「ん?」


 長身の女の子はその声で初めてエリカの存在に気付いた。


 「聞いてもらってもいいですか?」


 それから俺は竹刀を向けられながら、エリカが事情を長身の女の子に教えた。そしたら先ほどとは打って変わって顔を赤くしながらペコペコと俺に謝りだした。しかも土下座するような勢いで。


 「す、すみません。いつもの癖で」

 「ああ、良いさ。首が少し痛いがそれ以外はなんともない」

 「す、すみません」

 「ん~」


 俺達の会話がうるさかったのか、寝ていた女の子がゆっくりと顔を上げて起きた。そして、目が合った瞬間、思わず叫んでしまった。


 「あんたは……あの時の」

 「あ、あの時は、大変失礼な事をしてしまいすみませんでした」

 「あれ?すみれの知り合い?」

 「ち、ちょっと……ね」

 

 少しばつの悪そうな顔をしていた。あの時の事をまだ気にしているようだった。あれは俺が思いきり走っていたおかげであんな事が起きてしまった。ここでちゃんと謝る事にした。


 「あの時は悪かった。今度から気おつける」

 「わ、私も見ていなかったですし、あの時はちゃんと謝る事やお礼をする事が出来ませんでした。すみませんでした。それとありがとうございました」

 「あ、ああ」


 その時の笑顔が天使のように輝いて見えて、少し目を逸らしてしまった。その時エリカに少し足を踏まれたが、そのおかげでここに来た目的を思い出し、さっそく聞く事にした。


 「それで青木って言う人は何処にいるんだ?」

 「わ、私ですが……何か?」

 「あんたが……会えてよかったぜ!」


 俺は思わず青木の手を取って握手してしまった。長身の女の子が再度竹刀を構え始め、エリカも俺の足をもう一度踏み付けてきた。


 「貴様!すみれに触れるな!」

 「良太君!何で私の事は全て反応薄いのに!何で!」

 「しずくちゃん。竹刀。竹刀しまって!」

 「何でこうなった……理解できん」


 それから10分後ようやく騒ぎは収まり皆で座ってすみれが淹れてくれた紅茶を飲んで一息ついていた。そして紅茶を飲んで、落ち着いている間にいろいろな話をした。そして気付けば日が辺りがもう暗くなって帰ろうとした時、生徒会の2人に言う事があったので、振り向いた。


 「そう言えば忘れていたが、2-B鷺宮良太だ。転校してきたばかりであまり分からないけど頼む」

 「私も同じく2-Bのエリカ・スプライトです。よろしくお願いします」

 「3-A多美雫。これでも一応生徒会副会長だから分からない事あったら聞いて」

 「3-A青木すみれです。せ、生徒会長です。ふ、ふつつかものですがよろしくお願いします」

 「おう、じゃあな」


 軽く手を上げながら挨拶して生徒会室の扉を閉めた。

 更新がだいぶ遅れてしまいすみませんでした。

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