放課後の出来事
教室の鍵を職員室に置いた後、急いで家に帰ろうとしていた。
「てか、あいつ俺に鍵をやらせる為に用事とか言って早く帰りやがったな。だが、良い。この仮はは格ゲーで思い知らせてやる」
俺は、愚痴を言いながらも少しやる気が出ていた。
玄関から靴を履いて出ると校庭でランニングやサッカー、野球をしているのが見えた。たぶん部活だと思うがすぐに家に帰ってゲームをやらなければ!
そう思い走った。建物の角を結構な速い速度で曲がろうとしたが、それがいけなかった。曲がろうとした角の所に女の子がいたのである。そのとっさの反応についていけずに激突してしまった。
「きゃっ!」
「いてててっ。何が起きたんだ」
どちらもしりもちをついてしまった。そのおかげで制服には砂や埃が付いてしまったが、それを立って軽く叩いた。
さっきの事は全面的に俺が悪かったので、女の子に手を差し伸べた。
「す、すまんな。前を全然見ていなくて。大丈夫か?怪我とかしてないか?」
「い、いえ。大丈夫です。あ、ありがとうございました」
俺の手を掴んで立ち上がった。控えめそうな女の子でエリカとは反対な性格に見えた。エリカがしつこいとかそう言う事じゃないぞ。
女の子は制服に付いた埃や砂を取っているが、一つだけ取り忘れているところがあった。
「な、ななななな何ですかー!」
「じっとしていろ」
何故か赤面しながら相当動揺しているように見えたが手を止めるつもりはなかった。
頬に付いたごみを取るとそれを見せた。
「これを取る為に近づいたんだよ。可愛い顔にこんな物が付いていると台無しだしな」
「ししししししし、失礼します!」
『ううっ!』と声を上げながら急いで校舎の中に入って行った。俺ってそんなに気障っぽい台詞を言ってしまったんだろうかと考え少し後悔した。
早く帰りたい。だが現実はそう簡単じゃなかった。
「お前……何でここに」
「遅いわよ良太君」
校門の所にエリカが待っていた。しかもかなり怒り気味で。
「どのくらい私を待たせるの?デートだったら即振られる事決定よ」
「デートじゃないだろ。それで何の用だ?学校案内は明日やってくれ」
「そんな用事なわけないじゃない。昨日、言った事覚えてる?」
「財宝ってことか?ある訳無いだろ。そんな物」
「良太君は何でも決め付けてしまうのは良くないと思うわ。それに宝の地図があるのよ」
「宝の地図?」
エリカは懐からボロボロになった紙切れを取り出した。それを広げてみると島がありその中央の方に『×』と印されていた。だが、一つ疑問に思った。
「お前……その紙どこで拾ったんだ?」
「ん?これ?道端に落ちていて面白そうだから拾ったの。でも、上げるつもりは無いんだからね」
「汚ねーし、いらねえよ。つうかそれが本当だとしてもこの島なのか?確かに島の形状は……似ている?かも知れねーけども確証が無ければ意味ねえだろ」
「確証?そんなのあるわけないじゃない。良太君。そう言うのは犬にでも食わせて実力行使よ。この島じゃなかったら他の島に行くまで。さあ、行くよ!良太君」
「お前は会った時から変だと思っていたが、ここまで変だとは……何処で選択をミスってしまったんだ!」
「ここまで正規のルートよ。ちなみにそれ以外はバットエンド直行ね」
「横暴すぎるぜ……」
頭を思わず抱えたくなったが、それを知ってか知らずか俺の手を掴んでエリカが引っ張っていく。
「ほらほら、早く!」
「分かったから、ちょっと待ってて!頼むからー!」
俺の叫び声がそこらじゅうに響き渡った。
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