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旅の食卓事情

 イブとスレイの二人と信頼を深めた、次の日の朝早くの目が覚めたモンドは眠気にショボショボした目をこすりながら狭苦せまくるしい廊下ろうかを歩き抜け外に出ると


 元気のいいイブの声が聞こえた。


「えーい! やー! 」


 見つけた時の貧相な格好ではなく、それなりの服装で、イブは、棒のようなものを振り回している。


「よう、イブなにしてるの? 」


 モンドがそう声をかけると


「あ……、おはようございます」


 イブは少しぎこちないながらも、頭を下げてモンドに挨拶あいさつをした。


「いや~、そんなにかしこまらなくてもいいって」


 モンドが少し戸惑とまどったように言うと


「も、申し訳ありません! ご主人様! 」


 イブが下げた頭をより深く下げてモンドに対して謝る。


「いやいやいや! 怒ったわけじゃないから顔を上げてよ~」


 だいぶ、戸惑とまどった様子でモンドがそう言うと


「あ、ありがとうございます! 」


 イブが頭を下げたまま、そう言う


 やりずらい……。


 モンドはそう思い。


「いや~、俺たちに上下関係とかないからさ~、そんなにかしこまらなくてもいいよ~、というか~ご主人様って言われるほど俺も大層たいそうなものじゃないし」


 モンドは頭をかきながら、否定する


「いえ! ご主人様は、ボ、ボクたちを助けてくれた恩人です! だからすごいです! 」


 イブは、力強く返した。


 正直、そう言われると悪い気はしないな~。


 モンドは、そんなことを思いつつ


「さっきのは、多分だけど素振り……かな? がんばってるね! 」


 ニヤケそうになる自分顔を隠すためにそんな事を言う。


「い、いえ! あれだけの強さを持つご主人様のしてきたであろう鍛錬たんれんに比べたらこの程度は、がんばるのうちにも入りません! 」


 このセリフはモンドにとっては耳の痛いものになった、なぜならモンドはこの力を得るためにした努力は鍛錬などというカッコいいものではなく、たんにシュヴ相手にゴネて手にしたものだからだ。


「う、うんまぁ、い、いつか強くなる日を楽しみにしているぞ! 」


 そう言ったモンドの目は泳いでいた。


「はい! もっと、も~っと! がんばってご主人様の役に立てるぐらい強よくなりたいです! 」


 イブは気持ちよさそうな汗を流しながらそう言うと


「あ、ああ! 無理しない程度にがんばれ」


 モンドは気持ちの悪そうな汗を流しながらそう返した。


「お~い!! イブー! ご主人様ー! ご飯ができましたよー!! 」


 スレイがイブとモンドに食事の用意ができたことを大声で知らせた。


 




 「また、パンと野菜スープか……」


 モンドがそう言うと


「あ、いらないんだな? 」


 シュヴがモンドの分の食事を取り上げた。


「え! ちょ! 誰も食べないとは言ってないよ! 」


 モンドがあわてて言う。


「私のお料理は食べたくありませんか? 」


 村娘のような格好かっこうをした、スレイが泣きそうな顔で言う


 え! もしかしてスレイが作ったの……。


 モンドの顔にあせりの汗が流れる。


 シュヴが強めの口調で


「気にすんなスレイ、こんな贅沢なワガママしか言えない奴は、どろか石でも食ってりゃいいんだよ」


 そう言った。


 スレイの泣きそうな顔をはらすため、そして俺が朝飯にありつくためにモンドはそう思いながら


「い、いや~、あ、あまりにうまそうだったからつい感嘆かんたんの声がれちまったんだよ~」


 その言葉は苦しい言い訳でしかなかった。


「ま、そういうことにしておいてやるよ」


 シュヴはそう言ってパンと野菜スープをモンドの前に置いた


「で、でも、毎日パンと野菜スープでは流石さすがきちゃうかもしれませんし、栄養えいようかたよってしまうと思います」


 スレイがそう言うと


「たしかに、それもそうだなぁー」


 シュヴが難しい顔をしてそう言う


 この、問題は単純にモンドが肉や魚を食べたいというだけではない。


 モンドとシュヴは最悪毎日パンと野菜スープでも問題ないがイブとスレイはそういうわけにはいかない、彼女たちはあまり栄養状態がいいとは言えない、しばらくは問題ないだろうがいつまででもこんな食事を続けたら、成長にも良くないし、最悪の場合栄養失調で死んでしまうかもしれない。 


 モンドとしては彼女たち二人にはすこやかに育ってほしいと思っている、それはシュヴも同じだろう。


「そうだな、川の近くに車を止めてオレが魚でも釣ろうと思うさいわい釣り道具はあったからな、まぁ……あとは期待できそうにねぇがモンドが森でなにか獲物を狩ってくる、とりあえず今日の予定はこんな感じだな」


 シュヴがそう言う


 モンドは山で狩りなんて面倒めんどうくさすぎてので本来ならやりたくはないのだが二人のためにというにもあるが、モンド自身が肉を食べたいため


「うん、わかった」


 そう言ってシュヴの案に賛成した。


 しかし、この案に反対する者が二名いた


 イブとスレイだ。


「そ、そんなお二人にそんなこと……、ここは言いだ私が行くのがすじです! 」


 スレイが強くそう言うと


「ボク、狩りなら少しだけならやったことがあります! 」


 イブも強い声でそう言った。


「いや~、でもな~、釣りとか結構大変だし、山の中は危ないしな~」


 モンドがしかめっ面でそう言うと


「じゃあ、オレとスレイが川で魚釣り、モンドとイブが山で獲物狩りでいこう」


 シュヴがそう案をだす


 ほかの全員が、まぁそれなら……、といった様子で頷いた。


 これで今日の予定が決まった。


「いや~、イブは狩りの経験あるそうだし、そこのバカモンドよりは頼りになりそうだな~」 


 シュヴがそう軽口を叩く


「お前のようなうるさい子供だと魚が逃げてしまうかもしれないからな、スレイたのんだぞ」


 モンドも負けじとそう返した。


 二人は少し苦笑くしょうした。







 全員が食べ終わると、さっそくタンパクげんを手に入れるため車を川のある場所まで走らせた。

 

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