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無職は転生してフリーターに進化した!  作者: 鋏と電灯
第四章~北の中心地~
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偏屈な

高くもなく、低くもなく、空を泳ぐケートスの背中の上


「助かりました、セヴェルまちがい長として、フォレナ・バレーナとして、お礼を言います」


 フォレナは立ち上がり、深々と頭を下げる。


「い、いや、そんなにかしこまらなくても……」


 いきなり頭を下げれれて、慌てふためく。


「いえ、街を救った英雄には敬意を込めませんと、後で街をあげおもてなしさせていただきます」


 こうべをたれたまま、フォレナ言う


「いや~、いいわ、あまり派手に目立つのは好きじゃないし」


 モンドが頭をかき、困ったような表情でそう答えると


「モンドォ~、そうなの? 」


 リリトが聞いてくる


「ああ、そうだ」


 そう言いながら、モンドはうなず


「ふーん」


 リリトはモンドの答えに特に何も言わなかった。


「そう……ですか、でしたらなにかお礼だけでも」


 フォレナは残念そうな顔をする


「いや、これからセヴェル街のより良い発展に使ってください、あと、俺たちのことは非公開でお願いします、それじゃあ! 」


 モンドは早口でそういった後、リリトの手を引き、そのまま『飛天歌ウォラーレ』の魔法を使い、フォレナの視界から消える。


「ずいぶんと欲のない人だ……」


 ゲンブを倒した理由をどう言い訳するかを考えながら、フォレナはつぶやく



 モンドとリリトは『風吹くままに』の旅車りょしゃを見つけ、中に入る


「ふう~やれやれ、なかなかの強敵だった」


 自分の肩を揉みながらモンドがそう言葉を吐く


「ごくろーさん、お茶でも飲む? 」


 シュヴはそう言って、冷蔵庫を開ける


「うん、まあ、貰おっかな」


 モンドはそう答える


「ねえ、シュヴ聞いて~、モンドがお礼もおもてなしもいらないって、もったいないよね」


 そう言った、リリトが少し不満げだった。


「だって、俺はもてなすのも、もてなされるのも嫌いだし」


 シュヴではなく、モンド本人がリリトの問いに答える。


「やれやれ、ずいぶん偏屈へんくつだな」


 シュヴは呆れた顔になりながらそう言う


「俺が素直に見えるか? 」


 自嘲じちょう気味に、しかし嫌味ったらくモンドは笑う


「そういうことを言う奴が素直なわねねーだろ」


 モンドの頭をコツンとコップで軽く叩いたあと、コップをモンドの前に置き、冷えたお茶を注ぎ込む。


「お前は、もっと俺に優しくするべきだと思うんだが? 」


 不機嫌そうな顔そう言いながら、お茶を飲む


「お前が素直になったらな」


 そう言いながら、シュヴはリリトのコップにお茶を注ぐ


「そういう、無茶を言うのはよくないな」


 モンドは、空になったコップを机におく


「お茶だけに無茶ってか」


 シュヴがそう言った瞬間、場の空気が凍りついいた


「な……なんだよ」


 上ずった声を上げるシュヴを、モンドとリリトは冷ややかな目で見つめる


「ちょっと、滑ったくらいであの顔はないんじゃないの……」


 小声でブツブツ言いながら、シュヴは椅子に座る


「そういえば、イブとスレイは? 」


 モンドは二人がどこにいるのかを聞く


「あ、ああ、あいつらならお前の活躍を見るとか息巻いてどっか行ったぞ」


 やれやれといった様子でシュヴがそう答える


「ふーん、ちょっと探してくる」


 にやけた顔でそう言うと、モンドは旅車りょしゃから出て行った


「うーん、見えない」


 イブとスレイが上を見つめている姿を発見したので


「何が見えないのかな」


「そうだねイブちゃん」


 モンドは、二人に何をしているのか聞いてみる


「ご主人様ですよ、ご主人さ……ま!? 」


「わ!? 」


 モンドの声を聞いた、イブとスレイが目を見開きながら、振り向く


「帰ろうぜ」


 モンドが手招きすると


「まあ、はい……」


「ええ……」


 イブとスレイはなんともいえない表情でモンドのあとをついて行き、旅車りょしゃに帰った。


 

 全員が揃ったリビングの中


「次はどこ行く? 」


 モンドはそう言い出した


「そうだな……西の『オエステ』に向かおうかな」


 シュヴがテーブルクロスに改造した地図を見ながらそう言う


「『オエステ』と言ったら極寒の地ですね」


 スレイが厳しい顔つきになる


「寒い所ですか、防寒具とかどうします? 」


 イブはそう言って、シュヴの方を見る


「まあ、ここで安いの買ったあと、狩りでとった獲物のとっといた毛皮でもい付ければいいだろ」


 腕を組みながらシュヴがそう答える。


「え~、毛皮とか獣臭くな~い」


 リリトが露骨に嫌そうな顔をする


「そうか、もう生きてない皮だし臭くないぜ」


 シュヴはそう言った後どこかへ行き、しばらくしたあと毛皮を持ってきた


「あ、確かに臭わない」


 鼻をスンスンと鳴らしながら、リリトはそう言う


「とりあえず、オエステは厳しそうな環境だし、準備期間は長いほうがいいからゆっくりやろうぜ」


 モンドがそう言うと


 全員、うなずいた。


 そうこうして、1週間ぐらいかけて準備したあと、モンドたちはセヴェル街を後にした。

 

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