見て回る
黄色い空に黒い星が浮かぶ超常的な景色、ケートスに覆われたセヴェル街にモンドたち『風吹くままに』はたどり着いた。
「なんか、慣れねーな」
空を見つめながら、険しい顔をして、モンドがそう言うと
「しばらくすりゃ慣れるだろ、そんなことよりせっかくの都会だ今日はみんなで回ってみて歩こうぜ」
シュヴはモンドの愚痴をバッサリ切り落としたあと、そう提案する
「はい、道に迷う心配もないので、いいと思います」
スレイは頷く
「まあ、いいと思います」
イブも頷く
「そうだね~」
リリトも頷く
「ああ、まあ、いいんじゃない」
モンドは頷かず、そう言う
「じゃあ、行くか」
大きなカバンを背負ったシュヴはひと声で放ったあと、歩くとみんな後ろについてきた
しばらく歩いたあと
「じゃあ、まずあれに乗ろうか」
シュヴはそう言って、旅車よりは小さいが、それでもかなり大きく縦長の車を指す
「そうですね、セヴェル街はかなり広いですから、徒歩では厳しいですからね」
スレイはシュヴに続ける
「金はいくらぐらいかかるんだ? 」
あまり馬鹿高いと、損した気分になるモンドがそう聞くと
「さあ? でもそこそこの金は持ってきたから大丈夫だろ」
シュヴはそう答えた
「いや、そういう意味じゃなくて、あんまり高いとなんか嫌だし」
モンドは口を尖らせながらせる
「はあ!? じゃあお前一人歩いて行くの? 」
モンドに呆れたような顔になりながらシュヴがそう言う
「いや! そんなことはない、うん乗ろう」
モンドがそう言って、急ぐように車に乗り込む
「はあ~、やれやれ」
ため息をつきながら、シュヴも車に乗り込む
「なんか、こういういかにも都会って感じの乗り物に乗るのは、初めてでちょっと緊張します」
イブの肩に力が入る
「私もこうも慣れないというか、場違いな雰囲気はちょっと固くなちゃっうねイブちゃん」
スレイも肩に力が入った様子だ
「そう? 」
軽い口調でリリトがそう言いながら、車に乗り込む
「リリトさんは豪胆ですね」
スレイが少し羨ましいそうな目をリリトに向けながらそう言う
そうこうして、セヴェル街を見て回り、昼ごろのこと
「やべ~、道に迷った」
シュヴが突然そんなことを言い出す
「はあ!? 」
モンドが強い口調になる
「いや、たまには冒険もいいかなって地図も見ずにうろついたら完全に迷った」
シュヴは難しい顔をして頭を掻く
「いやいや、冗談だろ? 」
モンドが希望を持って、そう聞くと
「いや、本当」
シュヴはあっさりとそう返す
「はあ、やれやれ、普段は俺にさんざん説教たれているくせによおぉ~、何なんですかこの体たらくはぁ~~~あ! 」
モンドはいつも、怒られているシュヴに対してここぞとばかりに嫌味を言うと
「いや、迷ったけど、あそこにある協会に聞けば道ぐらい教えてくれるから」
落ち着いた様子のシュヴがそう話す
「ああ、そう」
たっぷりシュヴに嫌味を言おうかと思ったモンドだが、素早く対応されたため、そう言うしかなかった。
「お腹減った~」
リリトがお腹に手を当てながらそう言うと
「もう、お昼ですね」
スレイがそう言う
「じゃあとりあえず、あのお店にしますか? 」
イブはモンドとシュヴにそう聞いてくる
「まあ、いいんじゃないの」
モンドがそう答えたあと
「うん、雰囲気はまあまあよさそうだな」
レストランを見ながらシュヴは頷く
モンドたちが立ち寄ったレストランは店内だけでなく、外にも食べる机や椅子があるお店でモンドたちは外にちょうど空いていた席が座ると、すぐに可愛らしい制服に身を包んだ若い女性のウェイトレスが挨拶をしたあとメニュー表を置いていった
「ほお~、いろいろあるな~」
モンドはたくさんあるメニューを見つめる
「どれにしますか迷いますね」
スレイがちょっと真剣な面持ちになる
「値段はそこまで高くないな」
シュヴがそう言ったあと
「じゃあ、あたしは鴨の照り焼きランチセットね~」
リリトが素早く決めたあと
「まあ、悩んでもしょうがねえや、俺はパンとキノコ入りオニオンスープと子牛の薄切りステーキだな」
モンドも食べるものを決める
「オレは、シャケのムニエルとシーチキンサラダにするぜ」
シュヴも食べるもの決める
「では私は、バジルパスタ、ポテトサラダに……あとはハーブティーにします」
スレイも食べるものを決めたが、一人決めきれていない人がいる
「う~ん……」
イブは腕を組み唸り声を上げながらメニュー表と睨めっこを続ける
「イブ、別に遠慮しなくてもいいぞ」
シュヴが気遣うようにそう言うと
「あ、いえ、遠慮していたわけではなく、どれがいいか吟味してただけです」
イブはハッとなった様子でそう言う
「そうか……」
シュヴがそういったすぐ後
「よし! 若鶏の唐揚げ、ポトフ、アクアパッツァ、海鮮天ぷら、ロールキャベツ、マカロニサラダあとはデザートに特大パフェにします! 」
イブは自分の食べたいものを決める
「あいかわらず、すげえな……」
モンドはイブの胃袋の底なし具合に驚きつつ、ウェイトレスをよび、各自で料理を注文する
このとき、イブの注文を聞いた時のウェイトレスの顔はなかなかすごいものだった。
そうこうしてランチタイムは終わり1万4400ウェイトの料金に見合う満足感を腹にレストランを立ち去った。
道を聞くために協会に立ち寄る
「なあシュヴ、協会ってなに? 」
モンドがそう聞くと
「ああ、協会はトレーネ・オリヘンっていうはるか昔の偉人が立ち上げた組織で、今は困っている人を助ける組織だが、昔は警軍、学校さらには行政機関の雛形となった組織でもあったんだぜ」
シュヴが説明してくれる
「そうなのか……」
聞いてみたものの、大して興味がわく話でもなかったので、適当な返事をする
「まあな、あ! すませ~ん」
シュヴもモンドの反応の悪さを気にもせず、協会の人に道を聞いている
モンドは暇なので本が並んでいる場所に行き、なにか無いか探す
「お堅いのばっかしだな」
面白そうな本もなかったので立ち去ろうとした時
モンドの目にある本が入る
本の題名は『月の魔王』
なぜだか知らないが、運命的なものを感じたので手に取ってみる、値段は3000ウェイト
モンドの腰に下げているポーチの中には1万ウェイト
モンドは何かに導かれるがままに『月の魔王』を買った
「お~い、モンド~! 」
シュヴの呼ぶ声が聞こえたので、モンドは声の主のもとへ行く
「ん? 何か買ったのか」
シュヴがモンドの手にある紙袋を見つめる
「ああ、『月の魔王』って本を買ったんだ」
もんどは隠す必要もないのでそう言うと
「『月の魔王』ね……たしか昔いた魔王の話だったな」
シュヴはそうつぶやく
「内容知っているの? 」
モンドがそう言うと
「知ってるけど、ネタバレになるから内容は言わないぞ」
シュヴはそう返す
「そうだな」
モンドは、3000ウェイトを無駄にしないためにもそう言っておく




