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無職は転生してフリーターに進化した!  作者: 鋏と電灯
第三章〜後ろを振り返って〜
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故障

モンドたち『風吹くままに』が北のノルテ州の中心地であるセヴェル街にむかう途中のある日のこと


「やばいな……」


 旅車りょしゃの中身を開けて複雑な構造の物とにらめっこをしている、シュヴが難しい顔をしながら、そうつぶやく


「ヤバイって何が? 」


 たまたま、外に出ていたモンドがシュヴの小さなつぶやきを聞き逃さなかったため、そう聞くと


「ん、ああ、旅車の中にある、金で出来たパーツがダメになってしまったんだ」

 

 シュヴはモンドの存在に気付き、そう返す


「え! じゃあ動かなくなったの?! 」


 モンドはそう言って驚く


「いや、まだ走れるけど……セヴェル街まで持つかは微妙……だな」


 シュヴは眉間みけんにシワを寄せる


「金か……俺の錬成れんせい魔法でも作れないんだよな……」


 モンドはそう言いながら、腕を組む

 

「まあ、金は『太陽の欠片(ゾッネシュヴァイス)』とまで言われる素材だしな、自然にはソコソコの量はあるが、人の手で制作来るとなると、おそらくお前でも不可能だろうな」


 シュヴは困った顔をしながらそう返す


「はあ、仕方がない予定を変更するか」


 シュヴは大きく息を吐き、そう言う


「変更ね……具体的にはどうする? 」


 モンドはそう返しながら、シュヴに目を向ける


「それは今から決めるんだよ、とりあえず全員をリビングに集合させるか」


 シュヴも、モンドに目を向ける


「じゃあ、呼んでくるわ」


 モンドはそう言ってその場を立ち去る


 さて……まずイブは外で修行でもしてるだろうな。


 モンドがそう思って、旅車から少し離れたところに行くと


 イブの姿が見えた


「え゛あ、ぞおりゃ」


 イブは女性にはふさわしくない声を上げてはいるが、その素振りの太刀筋は素人のモンドですら、しっかりした、美しい、弧を描いていた


「ようイブ、精が出ているところ悪いが、ちょっとした話し合いがあるから、リビングに来てくれないか? 」


 旅車りょしゃを指でさしながらそう言うと


「話し合い? 何かあったんですか? 」


 イブは素振りをやめ、モンドを見ながら首をかしげる


「詳しいことはリビングでシュヴにでも聞いて聞いてくれ」


 モンドがそう言うと


「わかりました」


 イブは頭を軽く下げたあと、旅車りょしゃへ向かっていった


 よくよく考えてみると……リリトとスレイは旅車りょしゃの中にいるだろうから、シュヴがリビングに呼んでいるはず……俺もイブについていけばよかったな


 モンドは、自分のちょっとしたミスに嫌気が差しため息が出そうになりながら、旅車りょしゃの方へ向かっていった

  

 モンドは旅車りょしゃの中に入り、リビングの扉を開けると


 モンド以外の風吹くままにのメンバーがそろっていた。


「俺が最後だな」


 モンドはそう言って、シュヴとイブの間に椅子に座る


 リリトがムッとした顔でモンドを見ていたが


 モンドはそんなことを気づきもしなかった。


「さてと、今回みんなに集まってもらったのは、今のオレたちでは素材不足で修理不可能な旅車りょしゃの不都合によるもので、とりあえずセヴェル街までもつかどうか微妙だから、その素材つまり金がある場所にいったん寄り道するのだが、どこに行ったらいいということのみんなの意見が聞きたいんだが、いいか? 」


 シュヴがそう言って取り仕切るように聞いてきた


 モンド、イブ、スレイ、リリトの四人はうなずき、肯定の意志をしめす。


「じゃあ、どこがいいと思うよ」


 シュヴが少し間を置いてそう言うと


「とりあえず、一番近い村か街でいいんじゃないの」


 リリトがは頬杖をつきながら、そう返す


「そうですね、一番近い村か街は……ここですね」


 スレイは、目を動かし地図の上に指を這わせた後、その指を止める


「ここは、エルフの村である、サティルス村か……大丈夫なのか? 」


 そうう言いながら、シュヴはスレイの瞳を見つめる


「ええ、エルフは排他的な種族ではありませんし、金を持っている人も地図から読み取れる情報を見る限り、いると言えますね」


 スレイは、はそう断言に近い口調で言い、シュヴの瞳を見つめ返す


「そうか、なら、サティルス村に行くでいいか? 」


 シュヴがそう言うと


「エルフと人間って、仲いいとは言えないし、人間が立ち寄ると嫌がられ無いかね? 」


 モンドが、少し心配になった事を話すと


「仲はよくないけど、別に戦争しているわけじゃあないんだし、悪意むき出しでさえなければ大丈夫だと思うが」


 シュヴのその発言に続けて


「エルフは優しい人いっぱいだから、大丈夫だよ、ご主人様! 」


 イブがそう言う


「そっか、ならいいんだ」


 シュヴとイブの発言を聞いて大丈夫だと思ったモンドは軽めの口調でそう返した。


「じゃあ、サティルス村で決定でいいな」


 シュヴがそう言うと、みんな首を縦に振った


「なあ、スレイちょっと聞きたいんだが……エルフの村ってイモムシの料理とか出さないよな? 」


 モンドは元いた世界で見た、イモムシ料理を思い出し、そんな事をスレイに聞くと


「もお~! ご主人様はエルフをなんだと思っているんですか、そんなふうに考えるなんて悲しいです」


 スレイが少し泣きそうになりながらそう言う


「モンド……お前はサティルス村では黙っていたほうがいいかもな」


 呆れた顔をしたシュヴがそう言う


「ありゃ、なんか失礼なこと言ってしまった感じ? 」


 そう間抜けな声をモンドは上げる


「ああ、ものすごく失礼だと思われても仕方がないぞ今のお前の発言は」


 シュヴは厳しめの口調でそう言う


「そっか、ゴメンなスレイ」


 モンドはスレイに頭を下げ謝る


「いえ、そこまでのことはしなくても……それにエルフなんてそんな印象ですよね……」


 そう言いながら、スレイは悲しそうな顔をする


「ふう、俺の無知がエルフに対する偏見を招いてしまった……だからエルフの本当の姿をこの目で確かめてみたいよ、スレイ、サティルス村に着いたらエルフのこと教えてくれないか? 」


 モンドはにこやかにそう言うと


「はい! 」


 スレイは嬉しそうに笑い、そう返した。


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