咲
「んゔー。はーあ。」
目を開けてあくびが零れた。
「ここは。昨日は。あー。また。」
幼馴染である咲の部屋にいた。
「おはよー。起きた?」
「あー。飲みすぎたな。」
「ほんとだよねー。そういえば陽介先帰りやがって。」
「そうだな。うまく帰ったよな。」
「謝らせようっと。笑」
そういって咲はラインし始めた。
昨日はそう久々に四人が集まって飲みに行ったんだった。
今日は曇りか。なんだか気が乗らない。
写真を撮りにいくこともできないし
もうひとつの趣味であるギターでもやろうか。
そんなこと考えて寝転んだ。
しかしよくもまあ女の子と寝て
なにもないってのは俺もなんか変わってるな。
そしてこの子はマドンナ的な
中学の同級生の中では一番ほどかわいかった。
中学生のときに初恋した相手でもあった。
始めて告白した相手でも。なんて毎回思う。
たまに氣が緩むと好きになってしまいそうになる。
そんな存在の子だった。
気がついて時計を見る。
携帯の時計は11時34分。
「やっべ。寝すぎた。」
気づいたら寝てて、起きたら彼女の姿はなかった。
「いまどこ?」
携帯に打つと。
「下にいる。笑」
あそうですか。そんなに一緒が嫌ですか。
「そろそろ帰るよー。」
というとめんどくさそうな足音が聞こえて
だんっだんっだん。と音が近づいてきた。
「気を付けてねー。」
なんだか冷たい女だ。自分が都合のいい男なんだと
改めて思い知らされるようなこの感じ。
「おー。また飲もうな。」
友達も多い方じゃない俺は
まあそんなことぐらいと思えば
軽く受け流してその家を後にするのだった。