転生義賊・半ズボン仮面
連載作品↓の能力というか主人公の状況を
http://ncode.syosetu.com/n0872cc/
「解決しちゃうの?」「アイテムとかも増えたら」
という声に合わせて設定し直すとどうなるかという作品です
クソ親父にぶん殴られて頭をぶつけたのをきっかけに前世を思い出した。
死ぬ間際に金に苦労したくねえとは思ったけど、盗賊団の頭の息子とか、そりゃねえだろ!
盗みも殺しも人攫いもした外道の親父は、報いを受けて首を晒されている。
「若・・・。」
「うん、もういいや。」
根城で一網打尽に討伐された壊滅時に、俺を連れて逃げ出したニックとボックという二人の盗賊と共に、俺は親父の首に背を向けて歩き出した。
それにしても意外と憎しみもわかなきゃ、せいせいとした気持ちにもならねえもんだな・・・。
これが、十一歳という年齢で俺が悪の道へと歩き出した瞬間だった。
◆
◆
「盗賊団復活させるのはいいが、親父のやり方はしねえぞ? 普通に暮らしてる連中に憎まれるやり方じゃ、一時的に幅をきかせる事はあっても、自然と先細り、上手くやってまとまった金を手にしたところで、いつバレるかビクビクしながらじゃ金を手に入れた意味がねえしな・・・。」
「ですが若、今更、堅気衆に紛れて汗水垂らして働くなんて出来やしやせんぜ。」
頭が良すぎて親父に避けられていたニックが言う。
「何も盗みをしねえとは言ってねえよ。盗む相手を選ぶんだ。私腹を肥やす役人、あくどい商売をしている商人、民を苛む貴族、そんな連中からしか盗まなきゃ普通の奴らは拍手喝采だぜ?」
「おで、おでも誉めてもらえるかな、若?」
頭は悪いが怪力のボックの目が輝く。
「今は俺たち三人だけだから大掛かりな事はできねえしな。まずは汚職の噂は立ってるが、金でしか上につながってねえ役人あたりからやってみるか!」
◆
◆
「なんだ、こりゃ?」
見事に幸先のいいスタートを切った俺たちだが、廃屋を改装した拠点でほっと一息ついて、軽く祝杯をあげて眠りについた翌日である今日。
気付けば盗んだ金目のものが二倍になっている。
一個しかなかった筈の趣味の悪い金の燭台まで二個になっているため一目瞭然だ。
わけが分からんが、ぼーっとしているわけにもいかない。
ニックとボックを呼んで指示を出す事にする。
「ニックは燭台とかを闇で売りさばいて来てくれ、売った金は金貨だけ持ち帰って銀貨は教会にでも寄付しといてくれ。ボックの方は銀貨を適当に金の無さそうな連中の住んでいる辺りの玄関先とかに、ちょっとずつ置いてまわってくれ、目立たぬよう、見つからないようにな。二人ともなんか買いたいものとかあったら、適当に買って構わない。金貨だけを分け前にしよう。」
「なるほど、流石ですな、若。」
「串焼きとか腹いっぱい食べていいのか? おで、頑張ってくる!」
二人が拠点を立ち去り、俺は残った金貨を弄びつつ呟いた。
「ほんと、わけわかんねー・・・。」
◆
◆
その後も順調に活動を続けていた俺たちは義賊として知られるようになり、その名を慕って集まる者さえいた。
いや、それはいい、それはいいんだよ?
でも「半ズボン仮面」って呼び名は勘弁してほしかったなぁ・・・。
親父が捕まった際、逃げる俺が確保したアイテムのひとつがエルメスのズボンという名の半ズボン。
敏捷性と器用度が大幅に高まるという効果だけで言えばアーティファクト級の凄いアイテムなのだが、サイズの関係もあって盗賊団の誰も欲しがらず放り出されて居た物を俺が密かにガメていたのだ。
盗みを働く上で非常に助けになるアイテムなんで、まだまだ似合う年齢だし着ていたのだが、こんな呼び名が定着するなら着なければ良かった・・・。
ちなみに他にもエアウォーカーという名の空中で二歩歩けるハーフブーツと、夜闇のマスクという夜目がきくようになる目元だけのマスクも仕事時には装備している。
俺が派手に動き、ニックとボック、最近ではその更に下の連中がその騒ぎに紛れてといった形で盗みをし、貧民街などで金をばら撒く行為を続けているため、国や貴族には追われているが民衆からは喝采を浴びている。
いやな? 仕方が無いんだよ金をばら撒くの。
俺の手元にあると倍倍で増えるんだから。
手下とかに金分配したくらいじゃ追いつかないペースで増えるんだよ。
下手すんと盗みには全く参加せず、金をばら撒くことしかやった事の無い手下とかもいるんじゃね?
その上、魔法のアイテムやら魔法がかかった剣やらなんやらまで増えるんだ。
ニックやボックは当然として、手下でちょっとでも功績立てたヤツにもくれてやってるんだけどさ、全然、減らないの。
そういうアイテムで強化されまくって、手下のレベルがガンガン上がってるし、騎士団とガチバトルして追い払うって何よ!?
本当、どうしよう・・・?
◆
◆
盗賊団の規模がどんどんでかくなって、既に何人配下が居るか把握出来ていない。
「お頭、今回の稼ぎです。いつも通り、銀貨はばら撒いたり寄附したりしてきました!」
だあーーーーっ!
いいからもう盗って来るなよ!
ばら撒いてもばら撒いてもキリがねえじゃねーか!
もう、これはあれか?
船にお宝満杯に詰め込んで、どっかの無人島にでも埋めてくるしかないか?
このまんまじゃ国の経済に影響出るよな?
金貨1枚でキュウリ一本とかなりかねないぞ?
どうしてこうなった・・・・・・。
連載にするなら主人公を追い回す
サド系ショタコン女騎士とか出す感じですかね?
追い掛け回す時は「殺す気だろ!」レベルでおっかなくて
後でベッドで主人公のぬいぐるみ抱えて妄想しつつゴロゴロとか