プロローグ~二人だけでも・・・~
この物語はフィクションです!
現実ではこの描写のようなことはやめてください。
それはまだ双子が高校生だった頃。
ヴォン!ヴヴヴヴーン・・・ここは矢寺峠。峠の走り屋の最盛期であった。
「洸。優。しっかり見てテクを叩き込めよ」
「「うん!!」」
洸が双子の兄。優が双子の妹。
この時は両方とも明るかった。あれがおきるまでは・・・
それは双子が高三の時にいきなりおきた。父研二郎の突然死。
大体、二人とも死因は分かっていた。研二郎はバトルは負けるバトルでも受ける人だった。少しの可能性があるなら・・・それが仇になり、突っ込みすぎでコーナーで曲がりきれず崖から五メートル程下に落ちた。車はレストアすれば戻る程度であったが、研二郎は頭を強く打ってしまったという。
もちろん双子は耐えることは出来なかった。三日間ほど泣いた。母親も幼い頃に亡くし本当に親と言える人物が居なくなった。
双子は身柄を研二郎の幼馴染みであり走り屋仲間である輪中修二に預けた。
輪中とは幼い頃よく会っていたため安心できたからだ。
輪中は家近くのガソリンスタンド兼チューニングショップの店長をやっている。もちろん車をレストアするのも彼にとってはお安い御用だった。矢寺の神の修理屋とも呼ばれるが、外見からはそれを察する要素がない。何せ痩せ型で体力もまるでない。だが、双子は輪中がレンチやハンドルを握ったら性格が豹変することが長い生活の中で分かった。
ということがあってから優は身内、仲が親しい人にしか心を開かなくなった。だが、仮に心を開いても必要最小限の言葉数しか言わなくなった。
例えば
○YESの時は縦に頷く。or「分かった。」
○NOの時は横に首を振る。or「嫌。」
みたいに・・・洸は初めての時心配で夜寝れなかった。
時を今に戻そう。
今は、研二郎の愛車であるケンメリを受け継ぎ、洸の高いテクと優の的確なアドバイスにより着実に峠の神様のケンメリは復活していっている。
~~~次回予告~~~
「峠の双子第一話~祖父のケンメリ父のケンメリ~」
「・・・」
「優、お楽しみにって言って」
「分かった。・・・お楽しみに」
プロローグですね。いきなり暗い話ですみません。
次回からは本格的に車がドンドン出てきます。
この話は二つの目的があり一つは研二郎に追いつくこと。
もう一つは大事だけど、またいつか書きます。