ヒッキー少女
この作品は作者の暇つぶし作品なので読み返しておりません
なんかストーリーどっかで湾曲してね?って思ってもあんま気にしないこと
気になったら、感想にどうぞ
作者が、やっぱ適当すぎじゃアカンか、と反省します
「おーい、飯できたぞー」
俺は二階にいる妹「里牧 嬰奈」に向けてリビングから呼びかける。だが返事が返ってこない。このままではご飯が冷めてしまうので俺は二階へと出向くことに。
「おい、飯できたって言ってんだろ。早く降りて来い」
階段を上がってすぐの扉が嬰奈の部屋で俺はドアを開けて少々声を強張らせて呼びかけた。
部屋の様子はまさに、雑多。布団は敷きっぱなし、買い物袋は散らかって、表紙に男と男の名前の間にバツ印が入っている本がずらりとあったり、オドロナミンCなんてコレクションし始めたのか数十本ほど嬰奈のそばにおいてあった。かく言う黒髪短髪少女16歳の嬰奈は、部屋の奥に置かれたPCの前で「にへへ」と奇妙な笑みを浮かべながらPCを食い入るように見ていた。
だが、俺の存在に気づいたのか不機嫌そうに俺の方へと視線が送られた。
「ぬ?ご飯‥‥持ってきてお兄ちゃん」
妙に艶やかな声色をしてご飯を持ってくるように迫られた。だが、
「お前な、ご飯ぐらいちゃんと降りてきて食え!早くしないと、パソコン真っ二つにするぞ」
「そんなことしたら、お兄ちゃんの大事な包丁はこぼれさせる‥‥」
俺の趣味は料理。料理で包丁は一番大事なものであって包丁がなければ料理すらもできない。まあ、安物の包丁でも買ってくれば料理ができなくなることは無いのだが。
「包丁だけはやめろよ。あれが無くなったらお兄ちゃんもう料理しないから!」
「はいはい」
パタン
かったるそうにパソコンのデスクの椅子から降りてやっとリビングに来る準備ができたようだ。
足の踏み場が全然無いため布団の上をどしどしと歩いて来る。片付ければいいものを
「んで、今日はなに?」
「お兄ちゃん特製シャカシャカポテチわさび&アボガド味!とマツタケご飯とメブンイレブンで買った野菜の盛り合わせ」
最後の一品が手抜きなんていわせないよ。だってシャカシャカポテチを研究するのに数時間かけたんだもの、絶対おいしいから、あれだけで十分料理したんだ。うん、したんだ‥‥
「ふ~ん」
嬰奈はまったく興味なさげに、俺の横を通り過ぎて階段へと足を運ぶのだった。
俺「里牧 窓巳」にとって、その反応はいつも通りで、いつも通り気落ちする反応であった。もうちょっと喜んでくれると俺もうれしいのだが、この反応がまた次はもっと反応してくれるような料理にしてみせると駆り立てられるのだ。
☆
窓巳「今日はお兄ちゃん特製シジミの味噌汁と見せかけたシジミのオレンジジュース!」
嬰奈「んで、私のご飯はどこ?」
窓巳「これこれ」
嬰奈「こんなふざけたもの料理じゃないわ、早く私の料理持ってきなさい」
窓巳「うわぁーん、自信作だったのにー!」
嬰奈「(今日はカップメンか)」
☆
とあるデパートの生鮮食品売り場。
俺は、本日の献立を思考しながら、食品に目を向けては考え込む。
その横には、学校のジャージ姿で色気まったくゼロの変態珍獣妹「嬰奈」が一緒にいた。普段なら部屋に篭って、ぐへへやら、にへへ、と変態っぷりを晒しているというのに珍しすぎる。
だからといって、俺は妹のことを気にすることはなく食品を見て回る。
人参、ジャガイモ、長ネギ、ピーマン‥‥いやピーマンは嬰奈が嫌いだから食べてくれないし。
「う~ん嬰奈、今日何を食いたい?」
せっかく珍しく一緒に買い物に来ているのだからリクエストを聞くことにしてみる。
「なんでもいい」
‥‥。いつも通りやる気の無い何も考えていないであろう返答が帰ってきた。
一体、この変態珍獣は何のためについて来た事やら。
ことを遡る事30分ほど前の話だ。
俺が本日のご飯を買いに出かけるために嬰奈の部屋に行ってきます、と告げるために入ったときだ。
嬰奈は珍しく寝巻き姿からジャージ姿に変わっていた。するとすぐに立ち上がり「私も行く」と告げられたのだ。
俺は呆気にとられ呆けていると横をすーっと通っていった嬰奈が
「何してるの?早く行くんでしょ?」
と、何に対してか分からないがやる気満々に階段を下りていったのだ。
俺には、どんな裏があるのか分からず断ることもできずにつれてきたのだが、なんて言うか嬰奈は食品を俺と同じように見回して何かに納得していく様子。
だがけして、今日の献立に意見を出すことは無かった。
「ま、いいか。今日は隠し味たっぷりのカレーライスでけってーだなー」
そういって俺はジャガイモ、人参を選りすぐってから俺は香辛料の陳列棚へと行くことにした。
俺が、生鮮食品売り場から離れると嬰奈はテトテトと俺の後ろについてきて一緒に香辛料陳列棚へとついてくる。
その姿を見るとなんだか、本当に妹感があふれていてなんだかかわいいと思えてしまった。だからといって、けしてかわいげのある言動は何一つしないのがまたネックだ。
「あ、ちょっとお菓子売り場行って来るね」
「あんまり、お菓子ばっか食ってると太るし健康に悪いからひとつだけにしろよ」
そう言って、嬰奈はお菓子売り場へと消えていった。全く理解不能な行動だったが、ただ単にお菓子を買いに来たかっただけなのだろうか。それでもお菓子を買うために外出することも珍しいから結局のところ今日の嬰奈の行動は俺にとって理解不能のまま終わった。
帰宅後は、嬰奈は即座に自室に戻りまたPCへと張り付くのだった。
☆
窓巳「おい!トイレいつまで入ってんだよ!」
嬰奈「うるさいな~、トイレぐらいゆっくり入らせてよ」
窓巳「お前さっきから1時間ぐらい篭ってるだろ!」
嬰奈「(だって、もう用は足したけどゲームが切り良くならないんだもの)」
窓巳「いくらなんでも長すぎだろ!」
嬰奈「じゃ、一緒にトイレ使う?」
窓巳「え?‥‥」
☆
私は里牧嬰奈。他称引きこもり女。
いつも家のPCに張り付いてお兄ちゃんに変態珍獣と思われている種族の人間です。
いつもパソコンで何をしているのかって?
嬰奈『今日はお兄たんとお買い物行って来ちゃった!』
パソコンの画面には、掲示板の私のコメントが載っている。その下を読んでいくと
『おお!んで手ごたえは?』
友人からの返事が返ってくる。友人と言ってもネット内だけの友人であって、実物大は見たこと無いのだが。まぁそのおかげで、私を見る機会など無いし踏み込んだ話もできてしまうのだ。
嬰奈『やっぱ、料理のことにしか興味ないのかな。なんか今日の晩御飯は何がいい?とかしか聞かれなかったよ』
続けて私は返事を書く。その文章を書くスピードはもう手馴れたもので口頭での言葉のキャッチボールほどに早く文章が流れていく。
『大丈夫だって!男の子は誰だってそうやって強がってるけど一緒に買い物行ったりしてもらえるものがうれしいものなんだって!』
励ましの言葉なのか、それとも本当に事実なのかは知らないが返事が即行帰ってくる。
私、里牧嬰奈はいつもこうしてお兄ちゃんをどうしたら落とすことができるか研究しているのであった。
他にもあまりべったりしてはいけない、冷たくあしらうのも必要だ、などと言われているからいつもお兄ちゃんには冷たい態度になってしまう。本当であったら、すぐにでも飛びついてLOVEを伝えてやりたいものなのだが掲示板の人たちの意見を聞いて兄ルート攻略を目指しているのだ。
嬰奈『でも、いつになったらお兄ちゃんルート攻略は来るのかな‥‥』
『時はせいではならないのだよ、アンダートン君』
なんだか、ここの掲示板の人は人がいいのかなんだか分からないが口調だけはむかつくのは確かだ。
え?いわゆるここが、4chってやつですよ。
ここで私はお兄ちゃんの攻略方法を模索してにやにやしたり、お兄ちゃんの隠し撮りを見てにやにやしたり、お兄ちゃんの部屋の音を聞いてにやにやしているのだ。俗に言う、変態だそうです。もちろんお兄ちゃんはこのことを知らない。
バタン
扉が開いてお兄ちゃん襲来。また私の面倒を見るためにここまで来ちゃって、私は愛されているに違いない。
「風呂上がったぞ、さっさと入って寝ろよ」
風呂上りの湯気をたたせてドアの付近にたつお兄ちゃん。私はとりあえず、兄を無視してパソコンにお兄ちゃんが来たことを知らせる。
嬰奈『お兄ちゃんきた!風呂上りだ!お兄ちゃんの寝巻き納豆柄だ!マジぱねぇ!』
『納豆www』
納豆柄に反応する4chの住民ども。だが、私はさっさと風呂に入りたくてしょうがない。兄の残り香が残ってる間に行かねばならぬ!
嬰奈『納豆なんてどうでもいいから、風呂いってくる!』
納豆に沸く住民どもを両断して、私はその後のログを見ないでお兄ちゃんの居る後ろを振り返る。
「ああ、わかった、わかった。入るからドア閉めて。寒い」
結局現実はこんなあしらい方をして好き好きオーラを抑える。これが効果があるのだと住民どもは言うから仕方なく。
お兄ちゃんは、心配そうな表情でこちらをのぞいていたが、しばらくして
「んじゃ、俺は寝るからな。夜遅くまで起きてると電気代大変なんだから少しは考えろよな」
‥‥。別に電気代に嫉妬なんてしてねぇし。
☆
嬰奈「うはぁ~お兄ちゃんの香りが残ったお・ふ・ろ♪ふんふふんふふ~ん」
窓巳「お~い、俺のYシャツどこやったか知らないかー」
嬰奈「ちょ!妹がお風呂入ってるときに入ってこないでよ!」
窓巳「別に見るわけじゃねぇし話すぐらいさせろよ」
嬰奈「Yシャツなんて知らないわよ!」
窓巳「そっか~。どこにやったかな・・・・」
嬰奈「(本当は私の部屋に飾られてるんだけどね)」
☆
窓の外は雪が降り積もり、誰もが分厚い服を着て防寒を完璧にして外出する今日この頃。妙な怖気と共に俺は異変を感じ取っていた。いや、感じ取っていたといっても第六感がそう示してくるだけで何かを体感しているわけではないから確証があることではないのだが。
俺は、変な怖気を感じ取っては居たがそろそろ寝る時間だし、風呂に入ることにした‥‥‥‥
4ch緊急速報
スレ「兄を落とすための助言をよこせよ屑ドモ」
にて最終ミッションへと移行
『あの方法を使えば兄を落とすことなど容易だ!』
『リア充め!スレの主が貴様に天誅を下しにいくぞ!』
そんな書き込みがずらずらと書き連ねられていた。
怖気の元はつつがなく沸点を通り越した模様。ついにミッションを行動に移すときが来たのだ。
そんなことを俺は知る由も無く、風呂へと入りに行くのだった。
「しっかし、なんだか今日は胸騒ぎがするってーかなんてぇか、おかしいよな~。ちょっと最近料理に没頭しすぎて疲れたかな?」
と言っても、どうせ料理に使う労力など厨房で働くわけでもなしに体力を消費するようなことではない。むしろ脳みそを使うだけで疲れない。
そんなことを考えつつ風呂の釜を開ける俺。
ガタガタガタン
「どうぁああぁぁあ!」
俺は驚きのあまり後ろに仰け反り風呂の釜から手を放した。
そこには、見るも無残な嬰奈が全裸で風呂の中でのぼせていた。釜を閉めて一体こいつは何をしていたのやら。いつも掴みどころの無い妹なだけに、どう考えても理解不能。
「あぁぁ、おにぃったぁん。やっと来た~。うへへぇぇ~」
のぼせ上がっておかしくなってるのかふらふらとしながら浴槽に手をかけてこちらに顔を向けてきた。
その姿はもう、ゾンビか何かと思うほどグデングデンで介抱しようにも全裸じゃ困ったものだ。
「風呂場で遊ぶなってお母さんに言われただろ!まったく世話の焼ける妹だなお前はぁ」
誰かを呼ぼうにも家には嬰奈と俺の二人きり。何か打開策は無いものか。
「おにぃいたん来るのおそぉいんだもん。予想以上にのぼせったった~」
ろれつが回らずにもう何がなんなんだか分からない。俺を待っていた?気が動転して何かおかしなことを言ってるのだろうか。
「とりあえず風呂からでろ!」
なるべく前を見ないように、なるべく意識しないように‥‥無理だけど。だが、俺が風呂場から引き上げなければ介抱するひとも居なくて危険な状態だ。そんな妹に欲情している場合ではない。
‥‥‥‥‥
時はたち数分後。
軟体動物のようにふにゃふにゃの妹様は、なんとか服を着せて嬰奈の部屋につれてくるまで漕ぎ着けた。だが、そのまま嬰奈は眠ってしまい、正直安否がどうとかそういったことは全く分からない。
「ったく、なんで俺がこんな無駄な労力使わなきゃならねぇんだよ‥‥ん?」
ふとパソコンが起動したままであることに気づいた。
「電力は大事にしろって言っただろう。風呂は居るときは消せ‥‥」
俺は消すためにパソコンのウィンドウをすべて消し始めかけたところだ。そこで嬰奈がかいた物らしき4chのログを発見する。
『お、お風呂に入って待つのってなんか怖いよ‥‥のぼせないかな?』
『のぼせなかったら直よしだが、のぼせても策は成功する二段構えだ!どこぞの飛○御剣流のようにな!』
『ゆくのだ!助言どおりにすれば兄ルート攻略は間違いない!』
『料理ばかりに没頭している阿呆にはそれくらいお灸をすえないと動かんぞ!』
『う、うん。がんばる!では、行って来ます少佐!』
‥‥‥‥‥、どれが嬰奈の文かは一目瞭然な気がする。
これが俺の胸騒ぎの原因か。
兄ルートってことは俺は嬰奈に好かれていたってことと考えていいんだろうか。
「しかし、まさかネット内でだがこんな俺は思われいたのかね」
そう思うと今までの行動がなんだかかわいく思えてくる。それもすべて4chどもの策なのか分からないが俺はそれに流されてもいい気がする。
実際、かわいいと思ってしまったし、今度からもう少しやさしくしてやろうかな。
「とりあえず、今は。‥‥おやすみ」
☆
嬰奈「はっ!パソコンの電源が勝手に消えてる!まさかお兄ちゃんい消された!?もしかして全部見られた!?」
『作戦成功おめでとう』
『よくやったぞ二等兵』
嬰奈「うざ、ってかお兄ちゃんに勝手に書き込まれた!?‥‥でも隠し撮りのデータは残ってる‥‥ま、いいか」
シジミオレンジジュース・・・実際に見て色が似てるかは別として、イメージでは色近いかなぁって思ってたり‥‥w
書いてて思ったのですが、4chの書き込みのログを文章に挟み込むの難しいです‥‥
どっか変かもしれませんw
そして、浴槽に妹が隠れてるのに少し反応が変なのは
普通に進ませると絶対に兄のあれがあれするのでがんばって避けました。
あと、短編だから長引かせるのもなんか面倒だったって言う理由もあったr(ry