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西日の時

作者: 空野 いり


望みなら沢山在る。



あれ食べたいとか


いい人を見付けたいだったり


もう寝たいとかも




取り敢えず、限りなく果てもなく望みに塗れてます。

ここ最近の望みは








と言う事。

そんな事考える様になった原因は沢山在るだろうけど、理由は全く分からない。


見当さえも付かない。


しかも、大して知能がある訳でもないので難しい話なんかを持ち出しても理解出来ない。理解もしたくない。

慰めの様で何故か惨めになる。授業中にも拘わらず他人にとっては関係ない事を必死になって考えて、ノートに書き込んでいた。


これも、惨めだ。


あれこれ色んな事をやって、もう、ここには居たく無くなって、ゆっくり吹かれる風に避けられがなら、去っていく。


居場所は何処に在る?


どうすれば見付けられる?


その答えは自分で見付けなくては為らなくて、でも見付け方なんて知らない。


誰か、教えて。


声になれない、為ることが出来ない、叫びは呼吸によって無意味になった。そんなゴミみたいな毎日を過ごして、望みが増して飲み込まれ仕舞いそうになっていた。


誰か救って…


こんなにも愚かな存在を…



そんな時に現れた君は眩しい過ぎた。

救われないこの存在に自由で捕まえられない君は憧れたし、嫉妬した。

それより、遥かに繋がっていて欲しいと望んだ。



「これからさぁ、どうなるのかね」

あまりにも近くに在る空に吸い込まれやすい様に、餌を求める金魚の様に空を仰いだ。

「分からない」

苛立ちを覚えるような穏やかな声を響かせた。


あまりの矛盾した考えに浸蝕されきった身体は、相変わらずだ。

でも、生きなくてはならない、この世界は生きにくいけれど。

君が隣で話してくれて、笑ってくれるかな?そうであれば、生きにくい世界でも生きてる。




でも



それでも



約束は果たさなきゃならない



「自殺したくないだ。…殺して、下さい。」



「良いよ。そしたら僕も後を追って死ぬけどね。」



「有難う。ばいばい…」



「安心して、苦しいのは一瞬だけだから」



遠くで君の声がした。



さようなら。



君なんて嫌いだ。

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