自我がないので自殺します
僕には自我がない。
僕は自我がないことを自覚している。
だから自我を持って死のうと思った。
僕には自我がない。
自我がないといっても意思はある。意志もある。行動もする。自分から外の世界への興味も湧く。ただ、自分から自分自身のことを全くみようと思わない。自分を視ようにもそこに自分がいないのだ。自分が居るはずの場所がずっと真っ暗なのだ。穴がある。気づいてしまった。
僕の穴に自分が居ないと気づいた時から、僕の穴に自分を作ろうと頑張った。それと同時に、自分の人生に自分が居なかったのかと疑った。実際に穴の中に自分はいなかった。
僕の持っている穴を埋めているのは自分じゃなかった。常に他人が埋めていた。友達や恋人、嫌いな奴、赤の他人、飲み友やネッ友、多くの他人が穴を埋めていた。
でも気づいた。他人で埋まらないことに。今まで僕自身が、穴を埋めるように、外の世界へ興味を持つようになっていたんだ。他人で穴を埋めるために。それで僕の穴を満たしていた。幸せだと感じていた。
でも一生埋まんないんだ。それに気づいた時、自分の中の何かが崩れた。
そしたらできた。自我ができた。
自殺したいと思える自分で穴が埋まった。
———そう、自我ができたのだ。